| 高周波・光デバイス用セラミック製品をはじめ、ダイヤモンド応用技術を活かした半導体製造装置、マイクロ波応用製品など多彩な製品を製造するテクダイヤ株式会社。 成長を続ける同社の技術の優位性と強みについて、柱となるダイヤモンド・スクライブツールの話を中心に経営企画部エグゼクティブマネージャー加嶋剛氏に聞いた。 |
−テクダイヤ社の沿革

創業の小山悦雄氏(現会長)は商社出身。技術者ではなく実業家だ。宝飾用の宝石を扱っていた関係から工業用ダイヤモンドに目をつけ独立した。
「バンドマンとしての趣味と実益を兼ねて工業用ダイヤモンド利用し、当時高価であったLPレコード用ダイヤモンド針の開発に乗り出しました。有志と共に金属とダイヤモンドの溶着という非常に難しい技術の開発に成功し、1976年にダイヤモンドレコード針のメーカーとして当社はスタートをしたのです。そしてまさにこの第一歩が、当社のコア製品であるダイヤモンド・スクライブツール(半導体ウェハカッティングツール)につながるのです」そう語ってくれたのはテクダイヤ株式会社の加嶋剛氏だ。
顧客ニーズを的確にとらえ業績拡大を続ける同社の源流は、常にビジネスチャンスを逃さない実業家の目を持った小山会長にあると言って間違いないだろう。
これまで同社がキャッチし育てたビジネスは半導体カッター、セラミックキャパシタ、マイクロ波製品と多岐にわたる。そして現在ではフィリピンセブ島に生産部門、アメリカ・台湾・韓国・中国に営業部門を置きグローバル展開している。
−レコード針からダイヤモンド・スクライブツールへ
LPレコード用ダイヤモンド針のメーカーとして成長を遂げたテクダイヤだが、やがてCDなどデジタルメディアの台頭により、LPレコード針市場は急速に縮小していく。そんな中で新たなオファーが来る。
「レコード針で実現した金属とダイヤモンドを接合する技術に注目した電機メーカーから相談を受けました。半導体製造工程で使用される突き上げニードルの高耐久性向上に、ダイヤモンドを応用できないかと。それを受けて開発したのが、先端にダイヤモンドを接合したダイヤモンドニードルでした」
ダイヤモンドをニードルの先端に溶着することで消耗スピードを抑えることができたため、結果的にコストダウンにつながり、顧客から高評価を得ることができた。このダイヤモンドニードルは今でも同社を代表する製品の一つである。
その後、光学デバイス・電源デバイスなど半導体の用途分野が広がる中、懇意にしているユーザー企業からまた新しい相談が来た。基盤に使用される素材が変わり、半導体カッティング工程において従来の装置ではうまくいかない、というものだった。そこでダイヤモンド接合技術をサファイヤ基盤など超高硬度のスクライバー向けのツールに応用し製品化。それがテクダイヤの主力商品であるダイヤモンド・スクライブツールとなった。−スクライブ工法の優位性

半導体ウェハカット工程には、スクライブ工法、ダイシングソー工法、レーザー工法の3つの工法がある。テクダイヤのダイヤモンド・スクライブツールは、その名の通りスクライブ工法でウェハをカットする際に欠かせないものとなっている。スクライブ工法とはウェハに傷をつけてそれに沿ってウェハをカットする(ブレークする)というものである。
「スクライブ工法の特徴はウェハに熱や水を与えず、かつ切り幅も小さくウェハをカットできる点にあります。特にウェハ1枚当たりの高収率化を求められる高価で硬いサファイヤウェハや、化合物半導体ウェハをカットする際に高い優位性を発揮する技術です。テクダイヤで開発しているスクライブ装置は、これらサファイヤウェハや化合物系ウェハのカッティングの分野で主力の製品となっています」
スクライブ工法の特徴は、水を使うダイシングソー工法で出てしまう廃液の問題やレーザー工法の照射熱による材料への損傷を防げる点にある。ウェハの素材によってはその優位性を大きく発揮できる工法だ。
−「これを切りたい」全てのニーズに応えるために
テクダイヤのダイヤモンド・スクライブツールは様々なニーズに応えられるように開発が進んでいったが、それでも顧客のニーズは多岐に渡り、装置や製品によってはうまく切れないこともあった。
また、サファイヤウェハや化合物半導体ウェハのカッティング工程は一筋縄ではいかない。例えばサファイヤウェハはカッティングを最適化するために、前工程としてウェハの研磨加工が重要となる。さらにウェハへブレーク加工をするためのブレーク装置も必要になる。
「おかげさまで様々な素材のカッティングニーズが寄せられるようになりました。しかし全てに応えるとなると、スクライブツールだけでは限界も見えてきました。そこで、研磨機やブレーキング機など含め、自社で総合的なスクライブ装置の開発を行うことで、全てのニーズに応えられることを目指したのです」
顧客のニーズに応えるためにテクダイヤではツールにとどまらず装置開発にも着手。その結果、半導体製造装置の設計開発はテクダイヤの基幹事業となった。技術の進歩やニーズの変化に合わせて、これからも開発は続く。今回の採用もこれら、工程全体を担う装置開発に取り組んで頂くエンジニアを期待するものだ。−新たな技術・市場への高い感度を持つ
テクダイヤは常に顧客にニーズに応え、高い精度で実現してきた。そのため技術はニッチとも言えるが、その結果大手と競合することもなく高いシェアを維持できている。また常に可能性のある市場や新たな技術への感度を高め製品開発をしていることが、景気やシリコンサイクルに左右されずに業績を維持することを可能にしている。
「例えばLEDチップで使われるサファイヤ基板のスクライブ技術は弊社の得意とする分野ですが、LEDの用途が家庭製品にまで拡大していく中、これから大きく需要が伸びるでしょう」
−現場感覚を持った人に来てもらいたい

最後に加嶋氏からエンジニアの皆さんへ。
「当社はお客様からの様々なご要望に応えることによって事業を拡大してきました。黙々と研究所にこもって開発に没頭するのではなく、現場に出て直接お客様とやり取りする中から設計のアイデアを取ってこられるような、そんな姿勢のエンジニアに来てもらいたいですね」
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取材を終えて ダイヤモンドというキーワードから始まり広く製品を展開しているテクダイヤ社。ダイヤモンド・スクライブツール以外でも独自の技術力を活かしてセラミックコンデンサやマイクロ波応用製品など、顧客ニーズに応える形で製品開発を続け、高いシェアを取っている。巨大な製造拠点としての中国や台湾など新興国にて数多くの導入実績を果たし、今後ますますの成長を期待できる会社で技術を磨いてみてはいかがだろうか。 |
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