
バックエンドエンジニアとは? 仕事内容や年収、向いている人を解説
「バックエンドエンジニアとはどのような仕事だろう?」「フロントエンドエンジニアとの違いは?」
こうした疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、バックエンドエンジニアの主な仕事内容や、転職する際に必要なスキルについて解説します。
気になるバックエンドエンジニアの平均年収や、向いている人の特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
バックエンドエンジニアとは?

バックエンドエンジニアとは、WebアプリケーションやWebサービスの裏側にあたる部分を担当するエンジニアのことです。
ユーザーが操作する画面からは見えない領域で、サーバー構築やデータベース設計、システム処理などを設計・実装・管理する役割を担います。
ログイン認証やデータの保存・計算処理といったビジネスロジックを扱うため、Webサービスの中核を支える技術分野に関与します。
フロントエンドエンジニアと連携しながら、安定したサービス運用の基盤を構築する重要な職種です。
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの違い
この2つの職種の違いは、担当する領域にあります。
バックエンドエンジニアは、サーバー側の処理やデータベースの操作、業務ロジックの実装など、ユーザーの目に触れないシステムの裏側を構築・運用する役割を担います。
一方、フロントエンドエンジニアは、JavaScriptやHTML、CSSなどを用いてWebページの見た目や操作性を設計・実装し、
ユーザーインターフェースの開発を担当します。
このように、両者は異なる技術領域を専門としながらも、ユーザーにとって使いやすいサービスを提供するために、
密接に連携しながら開発を進めます。
フロントエンドエンジニアについては、下記の記事で解説しています。
▼関連記事:フロントエンドエンジニアとは? 仕事内容や年収、向いている人を解説
バックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違い
この2つの仕事は、一般的にほぼ同じ職種として扱われています。
サーバーサイドエンジニアは、サーバー上で動作するアプリケーションの設計・開発・運用やサーバー環境の構築といった、
サーバー側の業務全般が担当領域です。
一方、バックエンドエンジニアはWeb系の開発現場で使われることが多く、データベースとの連携や業務ロジックの実装など、
サーバーサイド業務の一部に特化している場合があります。
両者の業務には重複する部分があるものの、企業やプロジェクトによって定義が異なるため、実際の業務範囲については都度確認が必要です。
バックエンドエンジニアの主な仕事の種類

バックエンドエンジニアの担当領域は、企業の方針や体制などによって決定されるため、仕事内容はプロジェクト(企業)ごとに異なるのが一般的です。
バックエンドエンジニアは、要件定義から開発・運用などの工程をこなしますが、ここではその代表的な業務を紹介します。
ただし、ここで挙げた業務はあくまで一部です。
このほかにも、セキュリティ対策やパフォーマンス改善など、重要な役割を担う場面もあります。
サーバーの構築
Webアプリケーションを安定して動作させるには、適切なサーバー環境の構築が欠かせません。
サーバー構築はバックエンドエンジニアの基本業務のひとつであり、システム全体の信頼性や可用性に直結します。
この業務ではOSや必要なミドルウェアを選定し、設計に基づいてインストール・設定します。
Webサーバーやデータベースサーバーの構築、セキュリティ設定などの工程もあり、これらは、とくに正確さが求められる作業です。
クラウドサービスの普及により、近年ではクラウド環境におけるサーバー構築も一般的になっており、柔軟なリソース管理と拡張性への対応力が必要とされています。
これらの作業を通じて、高負荷時にも安定して稼働できるシステム基盤を整えることが、サーバー構築における重要な役割です。
データベース構築
データベース構築は、Webアプリケーションの運用に欠かせない作業です。
これは、必要な情報を効率的かつ安全に管理するための、基盤を整える役割を担っています。
この業務では、アプリケーションの要件に応じて最適なデータベースの構成を設計し、保存すべきデータの形式や構造、アクセス方法を定義します。設計段階では、データの整合性や重複排除、検索効率の向上を考慮して、テーブルやリレーションを設計します。
実装には、SQLなどのデータベース言語を使用します。運用フェーズでは、パフォーマンスの監視やインデックスの最適化、障害発生時の復旧対応が求められ、システムの安定稼働を支える重要な役割を果たします。
プログラム開発
プログラム開発は、Webアプリケーションの機能を実現するために不可欠な工程です。
この業務では、要件定義や設計書に基づいて、JavaやPython、Goなどのプログラミング言語を選定し、適切なフレームワークやライブラリを用いて効率的に開発をおこないます。
加えて、外部サービスとの連携が求められる場面では、RESTful APIなどを活用して、安定した通信とデータ処理を実現します。
完成したプログラムはテストを通じて品質を確認し、問題がなければ本番環境へ移行され、アプリケーション全体の動作を支える役割を果たします。
サーバーの運用保守
サーバーの運用保守は、構築されたシステムが安定して稼働し続けるように監視と管理を行う重要な業務です。
障害の兆候を早期に察知し、解決に向けた迅速な対応が求められます。
障害発生時には、原因の特定と復旧対応をおこない、再発防止のための仕組みづくりにも取り組みます。
この際、バックエンドエンジニアは、正確かつ冷静な判断をしなければなりません。
パフォーマンスの最適化も運用保守の一環であり、リソース使用状況を把握し、サーバー構成の見直しや負荷分散の調整などをおこないます。セキュリティ対策としては、ミドルウェアやOSの脆弱性への対応、アクセス権限の管理、不正アクセス防止策の実装などがあげられます。
バックエンドエンジニアの年収

バックエンドエンジニアの年収は、参照するデータや所属企業によってばらつきがありますが、一般的には450万円前後が目安とされます。
バックエンドエンジニアの平均年収について、公的なデータはありません。しかし、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、バックエンド業務に近い「システムエンジニア(Webサービス開発)」の平均年収が574.1万円と公表されています。
この数値は令和6年賃金構造基本統計調査をもとに算出されたもので、職種全体としての傾向を把握する際の指標となります。また、同サイトの「ITスキルレベル別給与データ」によると、スキルや経験に応じて年収が420~950万円まで差が開いていることが示されています。
これらの情報から、バックエンドエンジニアとして収入を高めるには、プログラミングだけではない幅広い分野のスキルを持っていることも肝心です。
バックエンドエンジニアに必要なスキル・知識

バックエンドエンジニアは、専門的な知識に加えて、実務に対応できる柔軟性も求められます。
基本的にはチームでの開発が前提となるため、他のエンジニアとの連携や、共通理解を図るためのコミュニケーションスキルも欠かせません。
業務範囲が広いため、特定分野に特化するだけでなく、周辺領域について一定の理解も必要です。
以下では、バックエンドエンジニアが持っておくとよいスキルや知識について、詳しく解説していきます。
プログラミング言語のスキル
業務に応じて適切な言語を選定し、実装や運用ができるプログラミングスキルは、バックエンドエンジニアにとって必須です。
なかでも、データベースの操作に用いるSQLは基本的な知識として習得しておく必要があります。
加えて、大規模開発に適したJavaや、汎用性の高いPythonは、業務内容や開発規模に応じて活用される代表的な言語です。
プロジェクトの要件を満たすためには、これらの言語の特性や利点を理解して使い分ける力が求められます。
セキュリティ面への配慮としては、脆弱性対策が施されたフレームワークの活用が推奨されます。
安全かつ保守性の高いシステムを構築するために、使用する言語に対応したフレームワークの知識も重要です。
ネットワークの知識
バックエンドエンジニアには、Webサービスの通信を正確に扱うために、基本的なネットワークプロトコルに関する知識が求められます。
とくにTCP/IPの仕組みを理解することは欠かせません。
データがどのように送受信されているかを把握でき、通信の安定性や効率性を高める判断材料になるためです。
HTTPやHTTPSといったアプリケーション層のプロトコルについても、正しいリクエストやレスポンスの設計と処理を行うために、その構造や挙動を理解しておきましょう。
また安全な通信を実現するには、SSL/TLSによる暗号化や証明書の運用に関する基本的な知識も欠かせません。
セキュリティを意識した設計は、信頼性の高いシステムの構築において不可欠な要素です。
サーバーアーキテクチャの知識
システムの要件に適したサーバー構成を設計するには、処理の特性や想定される負荷、障害発生時の対応策を踏まえた設計力が求められます。
適切な構成を選ぶことで、パフォーマンスと安定性の両立が図れます。
サービスの可用性を高めるためには、負荷分散や冗長化の技術を活用する必要があります。
たとえば、複数のサーバーにトラフィックを分散することで、一部の障害が全体に影響を及ぼすリスクを低減できます。
クラウド環境での開発や運用が一般化している現在、仮想化技術やスケーラビリティを考慮した設計にも対応できる知識が欠かせません。
クラウド特有の構成管理や、セキュリティ対策も理解しておく必要があります。
バックエンドエンジニアに向いている人の特徴

バックエンドエンジニアには、論理的な思考力や物事にじっくり取り組む姿勢が求められます。
複数の技術を組み合わせてシステムを構築するため、試行錯誤を重ねながら継続的に学び続ける意欲を持てるかどうかがポイントです。
以下では、具体的にどのような特性やスキルがバックエンドエンジニアに適しているのか、詳しく解説していきます。
高い集中力を持っている人
複雑なプログラムを正確に理解し実装するためには、コード全体の構造だけでなく細部にも目を配る姿勢が求められます。
とくにバックエンドでは、仕様に沿った処理やセキュリティ上の配慮など、多くの要素を丁寧に扱う必要があります。
障害や不具合が発生した際には、焦らず論理的に原因を追求し、問題の切り分けと対処を地道に進める姿勢が重要です。
こうした作業に取り組むうえで、長時間集中できる力や、細かな検証作業をいとわない粘り強さが、大きな強みとなります。
運用保守などの業務が苦痛ではない人
システムが安定して稼働し続けるためには、日常的な監視やメンテナンスなどの地道な作業を継続できる姿勢が求められます。
障害発生時には焦らず冷静に対応し、原因を正確に把握したうえで迅速な復旧を目指さなければなりません。
日々の運用経験を活かして改善点を見つけ出し、システムの最適化に取り組むことで、より良い環境づくりに貢献できます。
こうした業務を負担と感じず、安定性の確保と品質向上に価値を見出せる人は、バックエンド領域において重要な役割を果たします。
学習し続けられる人
IT業界では技術の進化が速く、バックエンドエンジニアとして活躍するには継続的な学習が欠かせません。
自発的に情報を収集し、新たな知識を積極的に取り入れる姿勢が求められます。
変化を前向きに捉え、学んだ内容を業務に応用しながら成長を実感できる人は、この分野に向いている可能性が高いです。
学び続けることにやりがいを感じ、変化を楽しめる資質は、長期的なキャリア形成においても大切な要素となります。
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効率的に転職活動を進めたい場合は、専門性の高い転職エージェントを活用することが有効です。
この記事の寄稿者
本記事ではバックエンドエンジニアの仕事内容、平均年収、必要なスキル、向いている人の特徴について解説しました。
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- 北岡 優子