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回路設計エンジニアの将来性が高い3つの理由|仕事内容や年収もあわせて解説

回路設計エンジニアの将来性が高い3つの理由|仕事内容や年収もあわせて解説

最先端のテクノロジーが次々と登場し、社会のあらゆる分野で電子化・デジタル化が加速する現代に、注目を集めている職種が回路設計エンジニアです。

本記事では、回路設計エンジニアの将来性や年収、仕事内容、キャリアパス、向いている人の特徴まで、回路設計エンジニアについて知りたい方に役立つ情報をわかりやすく紹介します。

回路設計エンジニアの将来性が高い3つの理由

回路設計エンジニアの将来性が高い3つの理由

開発設計者の慢性的な人手不足

回路設計エンジニアの将来性が高い理由のひとつとしてまず挙げられるのは、開発設計者の慢性的な人手不足です。


日本の製造業全体では、少子高齢化により労働人口が減少し、特に開発設計者など高度な専門知識を持つ技術者の不足が深刻化しています。

この傾向は回路設計分野でも顕著で、ベテランエンジニアの高齢化・定年退職が進む一方、電気工学や機械工学を専攻する若手人材が減少しており、技術継承が大きな課題となっています。


回路設計はアナログ・デジタルの両分野で高度な知識と経験が求められます。

特に、アナログ回路設計では熟練者のノウハウや直感が不可欠であるため、誰でもすぐに一人前になれる職種ではありません。


また、製品開発のサイクルは年々短縮化し、IoTやAI、電気自動車といった新技術の普及により、より複雑かつ高度な回路設計が求められています。

そのため、即戦力となる回路設計エンジニアへの需要は増加し続けています。


国内外での電子機器・AIの需要が増加

スマートフォンやパソコン、家電などの電子機器が年々高性能化していることはいうまでもありません。

これに伴い、高機能な半導体や電子部品の需要が増加しています。また、5GやAI搭載デバイスの普及によって、より複雑で高性能な回路設計が求められるようになっています。


自動車業界に目を向けると、電気自動車(EV)や自動運転技術の発展により、車両に搭載されるECU(電子制御ユニット)や各種センサーの数が爆発的に増加しています。これにより、ECUやセンサーを制御するための回路設計ニーズが急増し、従来の自動車設計以上に高度な電子回路技術が必要です。


さらに、IoT(モノのインターネット)やAI技術の普及によって、家電や自動車、医療機器などあらゆるモノがインターネットに接続される社会が到来しています。

省電力かつ高性能な回路設計が求められるこれらの製品には、回路設計エンジニアの存在が必要不可欠です。


こうした社会情勢から、回路設計エンジニアの需要は日本国内だけでなく、アジアや欧米を含むグローバル市場でも拡大しており、優秀なエンジニアは世界中で高く評価されています。技術革新が進む限り、社会にとって回路設計エンジニアの重要性は失われることはありません。

特定の分野・業界にとどまらず電子化・デジタル化が普及

特定業界に依存せず、多様な産業で活躍できることもエンジニアの将来性が高い理由として挙げられます。

なぜなら、電子化・デジタル化の波は特定の分野や業界にとどまらないからです。

かつては機械設計が中心だった自動車や産業機械、医療機器といった分野でも、近年は電子制御化やデジタル化が加速しています。

たとえば医療機器業界では、AIや機械学習などの先端技術が導入され、診断や患者管理の効率化・精度向上が進んでいます。

医療機器分野の市場規模も国内外で拡大しており、電子化による効率化や新技術への対応が不可欠です。


工場の自動化(ファクトリーオートメーション)や再生可能エネルギー分野でも需要が増加しています。

ファクトリーオートメーションはIoTやAIの導入とともに急速に進展しており、日本市場でも今後10年で年平均14.78%の成長が見込まれています。

産業用ロボットやセンサー、制御機器などの需要増加に伴い、複雑な電子回路設計のニーズが増加していることも見逃せないポイントです。


また、再生可能エネルギー分野では、太陽光発電や風力発電の出力制御、蓄電システムの最適化などにパワーエレクトロニクス技術が不可欠なため、エネルギーの安定供給や省エネ技術の推進にも回路設計エンジニアの役割が拡大しています。

さらに、印刷業や従来型エネルギー産業など、これまで斜陽産業とされていた分野でも、BPaaSや生成AIなどのデジタル技術導入による効率化や新規事業創出が進んでいます。

回路設計エンジニアの年収

回路設計エンジニアの年収

回路設計エンジニアの年収は、日本国内の平均年収と比較して高い水準にあります。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、回路設計技術者を含む「機械設計技術者」の平均年収は約669.4万円です。

年齢別に見ると、機械設計技術者の平均年齢は42.2歳で、平均年収は20代でおよそ370万~510万円、30代でおよそ610万~683万円、40代でおよそ743万~779万円です。


日本の平均年収が約460万円(国税庁|1 平均給与より参照)であることを考えると、水準としては高い部類に入ります。


回路設計エンジニアの仕事内容

回路設計エンジニアの仕事内容

回路設計エンジニアとは、電子機器や各種システムで使用される電気回路の設計を担当する技術者です。

製品の企画から設計、試作、評価に至るまでの全工程に携わり、製品の仕様にあわせて電子部品を選定したり、回路図の作成や動作の確認を行います。


仕事の特徴としてまず挙げられるのは、その多様性です。

回路設計エンジニアが手掛ける製品は、スマートフォンやパソコン、家電、自動車、医療機器、産業機械、センサーなど非常に多岐にわたります。


また、設計する回路も、デジタル回路(情報処理や演算を担う)とアナログ回路(連続した信号や電圧を扱う)に大別され、それぞれに異なる専門知識が必要です。

そもそも回路設計には回路理論や電子工学、制御工学、CADの利用など幅広い知識が求められますが、特にアナログ回路設計では、理論だけでなく経験や直感も重要です。


最新技術やトレンドへのキャッチアップも不可欠なので、常に自己研鑽が求められる職種です。


具体的な業務内容は以下の通りです。

・製品仕様の理解と仕様書作成

・回路図の設計および電子部品の選定

・シミュレーションや試作による動作検証

・ノイズ対策やEMC/EMI評価などの品質向上

・製品の性能やエネルギー効率向上のための調整

回路設計エンジニアはきついのか?

回路設計エンジニアはきついのか?

回路設計エンジニアは年収が比較的高い一方、「きつい」「やめておけ」といった声があるのも事実です。

その背景にはいくつか理由があります。


まず挙げられるのは、専門性の高さ品質要求の厳しさです。

回路設計は高度な専門知識が必要であり、設計の質が製品全体の品質や信頼性に直結します。

そのため、ミスは許されません。製品の安全性や性能を左右する重要な役割を担うため、非常に高い品質が要求されます。


また、回路設計の仕事は設計の質だけでなく、コスト削減や納期厳守といったプレッシャーもあります。

予算内で高性能な回路を設計し、短期間で完成させることが求められるため、残業やストレスが増える場合もあります。


これらの業務負荷は企業やプロジェクトによって異なるため、合わない環境であれば「きつい」と感じやすいかもしれません。

ただし、職場の体制や業務効率化が進んでいる企業では働きやすさを感じることもあります。

求められる技術レベルや業務負荷、評価基準も会社によって大きく異なるため、合わないと感じた場合は転職によってより良い環境を見つけるという解決策もあります。

回路設計エンジニアのキャリアプラン

回路設計エンジニアのキャリアプラン

回路設計エンジニアはその専門性の高さと業界横断的な需要の広がりから、多様なキャリアパスが描ける職種です。

[ キャリアの初期ステップ(基礎・専門スキルの習得)]

ジュニアエンジニアからスタート多くの場合、まずは基礎的な回路設計や評価業務からキャリアを始め、実務経験を積みながらスキルを磨きます。

[専門性を活かしたキャリアの広がり]

スペシャリスト化・分野特化経験を積むことで開かれるのがスペシャリスト化や分野特化の道です。

デジタル回路、アナログ回路、高周波回路、パワーエレクトロニクスなど、特定の技術領域に特化し、その分野の専門家を目指せます。


プロジェクトリーダー・マネージャーへの昇進設計リーダーやプロジェクトマネージャーとして、チームを率いて製品開発全体を指揮する役割に進むことも可能です。ただし、その際にはエンジニアとしての知識やスキルに加え、マネジメントスキルやコミュニケーション能力が求められます。


研究開発や新規技術分野への挑戦IoTやAI、車載電子機器など、成長分野の最先端技術開発に携わることで、より幅広いキャリア展開が可能です。


大手メーカーや開発元企業への転職最初は派遣や下請けからスタートした場合でも、専門性を高め、経験を積むことでより上流工程に関わる大手企業へキャリアアップできる可能性が開けます。


回路設計エンジニアとしてのスキルを活かし、キャリアチェンジをする選択肢もあります。

回路設計の知識・経験は、機械設計、生産技術、製品企画、品質管理、技術営業、技術コンサルタント、カスタマーサポート、特許調査など幅広い職種で活かせるでしょう。

また、医療機器やロボット、通信、再生可能エネルギー、AI・IoT関連企業など、成長産業への転職も現実的です。

回路設計エンジニアに向いている人の特徴

回路設計エンジニアに向いている人の特徴

回路設計エンジニアに興味があるものの、自分に適性があるかどうか、迷っている人がいるかもしれません。ここからは、どのような人がこの仕事に向いているのか、詳しく解説します。


細かく緻密な作業が得意な人

電子回路の設計では、ミクロン単位の配線や極小部品の配置を扱うため、わずかなミスも許されない極めて精密な作業が求められます。

基板上のノイズや発熱など、微細な現象にも細心の注意を払いながら、各部品の配置や配線パターンを最適化しなければなりません。

そのため、集中力や忍耐力が不可欠です。

また、複雑な回路図を正確に読み解き、論理的に配線パターンを構築する緻密な思考力も重要です。

これらの能力が製品の品質や信頼性を大きく左右します。


モノづくりが好きな人

回路設計エンジニアは、自分が設計した電子回路が実際に電子機器として形になり、社会で使われる場面に立ち会うことができます。

この「自分の手で生み出したものが世の中の役に立つ」という実感や達成感は、モノづくりが好きな人にとって大きなやりがいです。

また、回路は製品の心臓部とも呼ばれ、設計者はその根幹部分を創り出す重要な役割を担います。

自分のアイデアや工夫が製品の性能や使い勝手に直結するため、ものづくりの醍醐味を強く味わえるでしょう。


新しい技術への関心が高い人

エレクトロニクス産業は技術革新のスピードが非常に速く、常に新しい半導体や電子部品、通信規格が次々と登場します。そのため、回路設計エンジニアには日頃から最新の技術やトレンド、業界ニュースにアンテナを張り、自発的に情報収集を行う知的好奇心を持ち続けなければなりません。たとえば、AIや機械学習の活用、シリコンフォトニクス、パワーエレクトロニクス、低消費電力回路設計、RISC-Vなど、近年注目される新技術をキャッチアップし、設計に積極的に取り入れる姿勢が求められます。


また、こうした新しい知識や技術を学び続け、製品の性能や価値を向上させることに意欲的に取り組める人が、回路設計エンジニアとして活躍しやすい傾向にあります。

向上心やチャレンジ精神にあふれている人

設計の過程では、思い通りにいかないことや予期せぬ問題が頻繁に発生します。

そのため、そうした課題に対して原因を粘り強く究明し、解決策を見つけ出す探究心が求められます。


未知の課題や困難な要求仕様に対しても、失敗を恐れずに試行錯誤を繰り返し、乗り越えようとする強い意志を持つ人が回路設計エンジニアに向いています。

こうしたチャレンジ精神があることは、技術的な成長や問題解決能力の向上につながるからです。


また、何度も仮説を立てて検証を重ねる仕事であることから、「こうしたらどうなるだろう」と常に考え、新たなアイデアを実際の設計に活かす創造力も求められます。

さらに、探求心を持って自発的に学び続ける姿勢が、設計の質を高めるだけでなく、周囲との協力や新技術の習得にも役立ちます。

回路設計エンジニアへの転職ならメイテックネクスト

回路設計エンジニアへの転職ならメイテックネクスト

回路設計エンジニアに転職する際、頼りになる存在といえば転職エージェントの存在です。最後に、元回路設計エンジニアも在籍するエンジニアの転職特化の弊社メイテックネクストを活用した転職成功事例を紹介します。

回路設計エンジニアの転職成功事例

<学生時代から憧れていた企業へ>

鉄道/運輸メーカー 技術開発 年収:720万⇒宇宙防衛製品メーカー システム設計 年収:830万


転職成功者のコメント

大学院卒業後、大規模なプロジェクトに携わりたいとの思いから鉄道会社へ就職。次世代鉄道車両の開発に従事するも、開発の見通しが悪く中々前に進まないことが転職を考えるきっかけでした。

人の役に立ちたいという思いは変わらないものの、実現性が高さが欲しかったのが本音です。

活動をする中で、開発スパンの短い製品の開発求人を沢山紹介されましたが、ピンときませんでした。メイテックネクストさんとの面談では、学生時代より憧れていた宇宙防衛関連の話で盛り上がりました。

人の役に立ちたいという思いと難易度が高い(高い壁に向かいたい)の両方が私の志望する方向であることを引き出して貰いました。

新卒の時の思いも蘇ったように思います。結果として、宇宙防衛関連企業に絞り応募をしたこと、自身の無線技術を国民を守る為に活用したいとの思いをぶつけ内定を得ることが出来ました。使命感に近い、ここまでの思いになれたのは、香川さんとの面談での価値観の確認のおかげだと思います。


担当コンサルタント(香川)からのコメント

新卒時の想いに立ち返り、自身が何に最も興味があるのか、何を実現したいのかを徹底的に話し合ったことで、本人のぶれないものが出てきたように思います。その後、方向性が決まってからは、なぜ宇宙防衛業界なのか、現在の技術をどう活かし、将来どうなりたいのかを徹底的に二人で詰めました。

内に秘めた情熱や本気度を企業へ伝えることができたのが勝因です。内定時は二人で共に喜びました。

この記事の寄稿者

回路設計エンジニアは、高い将来性が期待される職種です。年収水準も高く、多様なキャリアパスも描けます。

特有の厳しさもあるものの、適正のある人にとっては、大きなやりがいと成長のチャンスがある職種です。

これから回路設計エンジニアとしてキャリアアップを目指す方は、ぜひ本記事を参考に、自分の適性や将来像を考えてみてください。

香川 恵
香川 恵

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