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AIエンジニアに将来性はある? やめとけといわれる理由や需要を解説

AIエンジニアに将来性はある? やめとけといわれる理由や需要を解説

AIエンジニアは専門性が高く、製造業や物流、医療など多くの業界で需要が拡大している職種ですが、やめとけという声もあります。

本記事では、そうした声の背景や将来性、必要なスキル、向いている人の特徴までを詳しく解説しています。

AIエンジニアへの転職を検討する方に向けた実践的な情報をお届けします。

AIエンジニアとはそもそもどのようなエンジニアか

AIエンジニアとはそもそもどのようなエンジニアか

AIエンジニアとは、人工知能(AI)技術を活用したシステムやアルゴリズムの開発、あるいはAIによるデータ分析や予測モデルの構築を担う技術職のことです。

業務領域は、機械学習モデルの設計、自然言語処理、画像認識など多岐にわたります。

近年は製造業・物流・建設業などの領域でもAI活用が広がり、活躍の場は研究機関やIT企業にとどまらず、さまざまな分野へと広がっています。

AIエンジニアの具体的な業務内容や必要スキルについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。


関連記事:AIエンジニアとは?仕事内容や年収、必要な資格などを解説

AIエンジニアが「やめとけ」といわれる理由

AIエンジニアが「やめとけ」といわれる理由

AIエンジニアは将来性の高い職種とされる一方で、インターネット上では「やめとけ」といった否定的な意見も見受けられます。

その要因を、四つの観点から整理します。


高度な技術・知識を求められるため

AIエンジニアには、機械学習や深層学習の理論に加え、それを実装するプログラミングスキルも必要です。

Pythonをはじめ、TensorFlowやPyTorchなどのフレームワークの習得は基本とされ、実務で活用するには一定の経験が求められます。

加えて、AI開発には統計学や線形代数、微積分といった数学的知識も欠かせません。

モデルの精度を高めるには、アルゴリズムの動作原理を理解し、データの特性に応じて適切に調整する能力が必要です。

これらの専門分野は学習負荷が大きく、習得には時間と継続的な努力が伴うため、参入のハードルが高いという見方もあるのが事実です。

 

とはいえ、こうした専門性の高い領域に対する技術や知識を備え、さらに学び続ける意欲がある方にとっては、大きな成長につながることが期待できる分野です。

また、難易度が高いからこそ、やりがいや専門性の高さが評価されているともと言えるでしょう。

 

激務になることがあるため

AIエンジニアの業務には、外からは見えにくい工程が数多く含まれます。

たとえば、データの欠損処理や正規化、特徴量の設計など、精度の高いモデルを構築するには多くの前処理が必要です。

また、学習モデルのチューニングや再学習も一度で完結するものは少なく、試行錯誤の連続になるのが一般的です。

さらに、AIを組み込んだシステム開発では、技術的に未知の領域を扱うケースも多く、開発の過程で想定外の課題に直面することもあります。

納期に余裕のないプロジェクトでは、残業や休日対応が発生することもあり、働き方に悩む場面が出てくる可能性もあります。

ただし、すべてのAIエンジニアが過酷な労働環境で働いているわけではありません。

業務負荷は、プロジェクトの進め方や体制、企業文化によって大きく異なります。


そのため、転職を検討する際は、企業ごとの働き方を事前に確認することが重要です。

募集要項だけで判断するのではなく、その業界で実際に働いている人に話を聞いたり、業界に詳しい転職エージェントに相談したりするなど多角的に情報を集めることで、現場の実態をより具体的に把握できます。

市場環境の変化が速いため

AI技術は、わずか数年で大きく進化する分野です。

新しいアルゴリズムやフレームワークなどが次々と登場し、トレンドの変化も非常に速く、数年前に習得したスキルが通用しなくなることもあります。そのため、現場のエンジニアは常に最新情報を追い続ける必要があります。

また、開発手法や使用ツールも短期間で変わる可能性があるため、変化に柔軟に対応する姿勢が求められます。

一方で、これは裏を返せば、常に新しい知識に触れながら成長できる刺激的な環境ともいえます。

最先端技術に挑戦し続けたい方にとっては、大きなやりがいを感じられるポイントにもなります。


生成AI自体がエンジニアの仕事を行えるようになってきたため

ChatGPTをはじめとする生成AIの進化により、従来はエンジニアが担っていた一部の業務が自動化されつつあります。

たとえば、コードのひな形作成やデバッグ支援、データ分析の補助、技術資料の草案作成などにおいて、AIツールが実用レベルで使われ始めています。

このような状況を受けて、「AIに仕事を奪われるのではないか」という懸念する声があります。

しかしAIエンジニアに求められるのは、単なる作業の実行ではなく、課題の本質を捉えて技術で解決へ導く上流の設計力です。

目的に応じた手法の選定やデータの解釈、運用を見据えた仕組みづくりなど、創造的かつ論理的な判断を要する領域では、依然として人の役割が中心です。


こうした観点から見ると、生成AIの普及によってAIエンジニアの業務はむしろ高度化しており、その重要度は今後さらに高まると考えられます。

これらの背景を踏まえ、次章ではAIエンジニアの将来性について詳しく解説します。

AIエンジニアの将来性は高い

AIエンジニアの将来性は高い

AIや生成モデルの進化によって業務の一部が自動化される中、技術とビジネスの両面を理解し、最適な活用方法を設計できる人材の重要度が高まっています。ここでは、AIエンジニアの将来性が高いとされる理由を、三つの視点から解説します。


エンジニアが不足している

AI分野の進展に対し、それを担うAIエンジニアの人材供給は追いついていません。

多くの企業がAI活用を検討する中で、実務に対応できるスキルを備えた人材の確保は大きな課題です。

厚生労働省が公表した2025年3月時点のデータ(東京)によると、「IT関連の職業」における有効求人倍率は約3.69倍で、全職種の平均求人倍率1.53倍を大きく上回っています。

参照元:厚生労働省「職種別有効求人・求職状況(一般常用)

また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査では、AI導入を進める企業のうち62.4%が「AI人材の不足」を課題として挙げています。

参照元:独立行政法人 情報処理推進機構「DX動向2024 - 深刻化するDXを推進する人材不足と課題 」5p

このように、AIエンジニアに対するニーズは引き続き高い水準にあり、経験とスキルを積み重ねることで、さまざまな業界での活躍が見込まれる職種です。

AI関連のスキルは多分野で生かせる

AIエンジニアとして培われる機械学習、統計分析、プログラミングなどのスキルは、AI分野にとどまらず多様な業界・職種で活用されています。

たとえば、製造業における生産最適化、マーケティング領域でのデータ活用、医療分野の診断支援など、応用の幅は広がり続けており、特定の業務領域に限定されません。

仮にAIエンジニアとしての業務に課題や限界を感じた場合でも、データサイエンティストやアナリティクスエンジニア、RPA(Robotic Process Automation)開発など、関連職種への転身も十分に可能です。

そのため、キャリアの選択肢を柔軟に広げられる点は大きな強みです。


AIと連携する製品が増えている

近年は、スマートフォンやスピーカー、冷蔵庫などの家電製品にもAI技術が組み込まれるようになりました。

音声認識、画像処理、レコメンド機能など、AIは日常生活に自然に浸透しつつあります。

企業側でも、顧客体験の向上や業務効率化を目的に、AIを活用した製品・サービスの開発が進んでいます。

製造業や物流業界においても、故障予測や需要予測といった形でAIの導入が広がっています。

こうした動きは今後も続くと見られており、新たな市場や製品分野でもAIの存在感はさらに高まると予測されます。

AIエンジニアは、これらの開発において技術的な中核を担う存在であり、企業の競争力を支える重要な役割を果たします。

AIエンジニアの需要が増加している業界

AIエンジニアの需要が増加している業界

AIエンジニアの活躍領域は、IT業界に限られません。

製造、物流、建設、医療、農業など、さまざまな分野でAIの導入が進み、AIエンジニアへのニーズは高まっています。

ここでは、AIエンジニアが求められている主な業界と、それぞれの分野で進むAI活用の具体例を紹介します。


自動車業界

注目される自動運転技術をはじめ、製品開発や生産管理などの様々な場面でAI技術の導入が進んでいます。

開発現場では、CAE解析の効率化やセンサーデータの異常検知にAIが活用されており、試作回数の削減や故障予測の精度向上が期待されています。


また、生産工程においても、設備の異常検知や予知保全にAIを用いることで、生産ラインの停止時間を削減する取り組みが進んでいます。

さらに、近年はコネクテッドカーやEV(電気自動車)の分野でも、車両から得られるビッグデータをAIで解析し、走行性能や安全性の向上が図られています。

このように、自動車業界ではAIが設計・開発・製造・品質管理など幅広い領域で活用されています。


製造業界

製造業界でもAIの導入が進んでおり、特に品質管理や生産効率の向上を目的とした活用が広がっています。


たとえば、画像認識技術を活用したAIによる外観検査では、人手では見逃しやすい微細な不良を高精度に検出する取り組みが行われています。これにより、不良品の流出防止と検査コストの削減を同時に実現できます。


また、生産ライン全体のデータを収集・分析することで、設備の稼働状況やボトルネックを可視化し、ラインの最適化や予防保全にもAIが活用されています。稼働停止リスクの低減や保守業務の効率化が図られ、現場の生産性向上につながります。


さらに、需要予測や在庫管理の精度向上にもAIが貢献しています。

販売データや外部要因をもとに需要の変動をリアルタイムで分析し、生産計画の最適化や在庫削減に役立てられています。

介護・医療業界

介護分野では、高齢者の行動データを解析する見守りシステムや、生活支援ロボットへのAI搭載が進んでいます。

転倒リスクの検知や徘徊防止といった取り組みで、介護現場の安全性や負担軽減に貢献しています。


医療分野では、画像診断へのAI活用が拡大しています。

たとえば、MRIやCT画像の解析にAIを用いることは、病変の早期発見や診断の精度向上に寄与します。

 さらに、電子カルテや診療記録といった医療データの活用によって、治療方針の立案にもAIが貢献し始めています。


新薬開発の領域でも、候補物質の探索や副作用の予測にAIが活用されており、創薬プロセスの効率化が期待されています。

 これらの分野では、センサー制御や画像処理などの知識を持つ機械・電子系エンジニアのスキルが重宝される場面も多くあります。


物流業界

物流業界では、人手不足や配送効率化への対応を目的とした自動化・最適化の取り組みにおいて、AIの活用が広がっています。

たとえば、倉庫内ではAIとロボット技術を組み合わせた商品のピッキング、パッキング、仕分け作業の自動化が進んでいます。

これにより、作業効率が向上するとともに、ミスの削減や人手不足への対応にもつながっています。


また、輸配送の最適化にもAIが活用されています。

交通状況、荷物のサイズや重量、納品先の位置情報などをもとに、AIが最適な配送ルートや積載計画を自動で算出することで、輸送コストの削減やリードタイムの短縮を実現しています。


需要予測の分野でも、過去の配送実績や季節変動などをAIが解析し、入出荷量の精度向上によって在庫過多や欠品リスクを抑制する取り組みが進められています。


こうした業務の高度化・自動化において、AIエンジニアはアルゴリズム設計やデータ構造の最適化を担う存在として、重要な役割を果たします。生産設備や流通の知見を持つ技術者にとっては、関連性の高い領域です。

AIエンジニアに向いている人の特徴

AIエンジニアに向いている人の特徴

AIエンジニアに求められる資質の中でも、とくに重要なのは「新しい技術に関心を持ち、継続して学び続けられるかどうか」です。

AI分野は技術革新のスピードが速く、新たな手法やフレームワークが次々と登場するため、日々の自己研鑽が欠かせません。


加えて、エンジニアとしての素養も欠かせません。

たとえば、問題を構造的に捉えて解決に導く論理的思考力は、アルゴリズム設計やモデル構築において不可欠です。

また、Pythonなどのプログラミング言語を扱う能力も、AI開発の基盤です。

さらに、プロジェクトを推進するうえでは、他職種との連携や要件定義も必要となるため、一定のコミュニケーション力も重要です。

とくに、ビジネス課題を技術でどう解決するかを考える場面では、関係部門との合意形成が求められます。

製造業や機械系分野での実務経験がある方でも、好奇心と継続的な学習意欲があれば、十分にチャンスがあります。

AIエンジニアへの転職ならメイテックネクスト

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専門性の高い分野だからこそ、早期の情報収集と入念な準備が転職成功の鍵です。

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<マーケティング支援会社から大手完成車メーカーへ>

マーケティング支援会社 27歳 630万円 ⇒ 大手完成車メーカー 700万円


エージェントからのアドバイス

AI分野は注目度が高い一方で、高度な専門知識が求められる領域です。

とくに研究開発系の職種では、大学や研究機関でAIを学んだ方が多く、実践的な知識とスキルが求められる傾向にあります。

未経験から目指す場合、理想と現場とのギャップに戸惑うことも少なくありません。

そのため、業務内容や必要とされるスキルを事前に確認し、自身の経験がどの領域にフィットするかを見極めることが重要です。

AIエンジニアを目指すには、KaggleやGitHubなどでのアウトプットやG検定、E資格の取得など、スキルを可視化できる実績づくりが大切です。学びと実践の両方を意識して取り組みましょう。

この記事の寄稿者

AIエンジニアは、高度な知識と継続的な学習が求められる職種です。

しかし、製造業・医療・物流をはじめとして幅広い業界で需要が高まっており、将来性の高い分野です。

技術への関心と学び続ける姿勢があれば、未経験からでもキャリアを築くことは十分に可能です。

北岡 優子
北岡 優子

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