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データサイエンティストとは?仕事内容や年収、役立つ資格を解説

データサイエンティストとは?仕事内容や年収、役立つ資格を解説

データサイエンティストは、AIやビッグデータの活用が進む現代において、企業の意思決定を支える重要な役割を担う職種です。

この記事では、データサイエンティストの役割や主な仕事内容、年収の目安、必要なスキル、そして取得しておくと役立つ資格について、わかりやすく解説します。データサイエンティストへの転職を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。 

データサイエンティストとは

データサイエンティストとは

データサイエンティストとは、統計学や機械学習を駆使して、膨大なデータから課題解決や新たな価値創出につなげる専門職です。

ここでは、その役割や誕生の背景、さらにデータアナリストとの違いを解説します。


データサイエンティストの役割

データサイエンティストは、企業の意思決定を支える「課題解決の設計者」です。

まず、ビジネス上の問題点を正確に見極め、必要なデータを集めて分析するための計画を立てます。


そのうえで、統計や機械学習といった手法を使い、データから傾向や将来の予測を導き出します。

さらに、分析結果をわかりやすく可視化し、経営層や現場の担当者に伝えることで、実際の施策につなげていきます。


データサイエンティストは単なる技術者ではなく、データに新たな価値を生み出す戦略的なパートナーとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の中心的な役割を担っています。 


データサイエンスが生まれた背景

統計解析は、昔から研究や仕事の現場で使われてきました。しかし、2000年代に入ってパソコンやスマートフォンが急速に広まったことで、個人や企業が生み出し、蓄積するデータの量が一気に増えます。その結果、これまでの分析方法では対応できない問題が目立つようになり、大量の情報を価値に変える分野として、改めて「データサイエンス」が注目されるようになりました。

さらに、2010年以降はビッグデータやAIの技術が急速に進歩し、データを戦略的に活用する専門職である「データサイエンティスト」も登場しました。今では、政策を考える場面や企業の経営、医療や教育など、社会のさまざまな意思決定に欠かせない存在となっています。


データアナリストとの違い

データアナリストは、すでにあるデータを分析し、過去の傾向や現在の状況を明らかにする役割を持っています。

対してデータサイエンティストは、データアナリストの仕事に加え、統計学や機械学習といった専門的な知識や技術を使い、将来の予測や新しい法則の発見を目指します。

データサイエンティストには、より高度な数学の知識やプログラミングのスキルが求められます。

また、分析した結果をもとに、ビジネス上の課題を見つけ出し、戦略を立てることまで考える点が特徴です。

このように、どちらもデータを活用する専門家ですが、担当する範囲やアプローチの仕方にははっきりとした違いがあります。

データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの仕事は、単にデータを集めたり分析したりするだけではありません。

ビジネス上の課題を見つけ出し、その解決策を提案することまで、幅広い役割を担っています。

ここでは、データサイエンティストが実際にどのような仕事をしているのか、具体的に紹介します。


データ収集

ビジネスの課題を解決するためには、正確なデータの収集が欠かせません。データサイエンティストは、社内の業務システムや外部のオープンデータ、APIなど、さまざまな情報源からデータを集めることが必要です。例えば、アクセスログや購買履歴、SNSの投稿など、構造や形式が異なるデータを扱いながら、課題に直接関係する情報を見極めて収集します。


また、Webスクレイピングやデータベースの操作といった技術を活用し、分析のための基礎を作り上げます。

こうしたデータ収集の質が、仮説の正確さや成果の実現に大きく影響します。


データ前処理

収集したデータには、欠損値や重複、誤入力などの不備が多く含まれていることがよくあります。

そのため、データをそのまま使って信頼できる分析を行うのは困難です。まずは、不要な情報を取り除いたり、誤りを修正したりする「クレンジング」と呼ばれる作業を行い、データをきれいに整える必要があります。

次に、正規化や標準化によってデータの形式や単位の違いをそろえ、分析しやすい状態に仕上げていきます。

また、分析のテーマに合わせて意味のある項目を選び出したり加工したりすることで、データの解釈の精度を高める工夫も重要です。

このような前処理は、単なる下準備ではありません。データの価値を最大限に引き出すための、戦略的なステップです。

データから仮説を立案

ビジネス課題の本質に迫るためには、まず「問い」を立てる力が重要です。

例えば、顧客層の特徴や施策の影響について仮説を立てることで、データに意味を持たせられます。

こうした仮説があると、分析は単なる数字の並びではなく、戦略的な洞察を生み出すものへと変わります。

また、傾向やパターンを見つけるための仮説は、分析の目的をはっきりさせ、精度や効率を高める道しるべとなるでしょう。

やみくもにデータを調べるのではなく、仮説という道筋を描くことで、データは課題解決のための武器になります。


データ分析

仮説を検証する段階では、統計学や機械学習の知識を活用し、データの背後にある構造を丁寧に読み取ります。

例えば、売上の推移や顧客の行動変化をグラフなどで可視化し、目的に合わせて回帰分析、クラスタリング、時系列分析、A/Bテストといった手法を選びます。どの分析手法を使うかによって、得られるヒントや気づきの質が大きく変わってきます。 


また最近では、AIによる高速で客観的なデータ解析が一般的です。データサイエンティストは、分析に使う変数の設計からモデルの構築までを担当し、経営や事業の意思決定に役立つ洞察を生み出しています。このように分析は、仮説に命を吹き込む知的な探究活動といえます。 


データの解析とレポーティング

分析の成果は、どのように伝えるかによって、その価値が大きく変わります。

特に、専門知識のない方にもわかりやすく説明することが大切です。

そのためには、グラフやチャートを使って要点を視覚的に整理し、KPI(重要業績評価指標)の変化や傾向をはっきりと示す必要があります。

単に数字を並べるだけでなく、「今どんなことが起きているのか」「これから何をすべきか」といった示唆を加えることで、レポートは意思決定のための道しるべになります。

課題の本質を明らかにし、具体的な行動につなげる構成こそが、データサイエンティストの力の見せどころです。


データサイエンティストの年収

データサイエンティストの年収

データサイエンティストの年収は、持っているスキルのレベルや、働いている会社の規模によって大きく変わります。

厚生労働省の「job tag」によると、データサイエンティストの平均年収は約573万円です。

また、ITスキル標準(ITSS)という経産省によるスキルレベルの指標で、レベル3に達すると年収は約600万~900万円、レベル4では約650万~950万円、レベル5以上になると約1,100万円の水準に達することもあるとされています。

国税庁によると日本の平均の年収が約460万円です。これと比べると、データサイエンティストは高度な専門職として、かなり高い報酬が期待できる職種といえます。なお、ITSSは経済産業省が作ったスキルの基準で、企業が人材育成や採用の判断をする際にも使われています。

データサイエンティストに必要なスキル

データサイエンティストに必要なスキル

データサイエンティストとして活躍するには、幅広いスキルが求められます。

ここでは、特に重要とされる主なスキルについて解説します。

統計などの分析スキル

データサイエンティストにとって、統計学は分析の基礎となる欠かせないスキルです。例えば、平均や分散といった基本的な知識から、回帰分析や仮説検定などの応用的な手法まで幅広く理解することで、データの中に隠れている規則性や傾向を見つけ出せます。

また、RやPythonといったプログラミング言語や分析ツールを使いこなすことで、複雑なデータ処理も効率よく行うことが可能です。これらのスキルは、単に数値を読み取るだけでなく、ビジネス上の課題の本質を見抜き、よりよい意思決定を支えるための強力な武器となります。

データベース関連の知識

データサイエンティストにとって、データベースの知識は、分析の基礎を支える欠かせないスキルです。

例えば、SQLなどの言語を使って、大量の情報の中から目的に合ったデータを正確かつ素早く取り出す力は、分析の精度やスピードに大きく影響します。さらに、データの構造を理解し、クエリ(データベースへの問い合わせ)を最適化することで、大規模なデータでも処理の負担を減らし、効率よく分析を進められます。

また、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)やNoSQL、データレイクといったさまざまな技術を状況に応じて使い分け、構造化データと非構造化データの両方を自在に扱えることも、現代の多様なデータ環境に対応するために必要な力です。

単にデータを抽出するだけでなく、分析に適した「データ設計」ができるかどうかが、データサイエンティストとしての実力を大きく左右します。


AIや機械学習の知識

データサイエンティストには、AIを「使う」だけでなく「育てる」力も必要です。

例えば、回帰・分類・クラスタリングといったアルゴリズムを理解し、目的に合わせて最適なモデルを作り、運用する知識が欠かせません。


また、Pythonをはじめ、scikit-learnやTensorFlowなどのライブラリを自由に使いこなすことで、大量のデータから将来を予測したり、意味のある分類や傾向を見つけたりできます。つまり、ただツールを使うだけでなく、課題に合わせてモデルを設計し、検証することが大切です。


このように、AIを戦略的に活用するスキルこそが、データサイエンティストの価値を高めます。 

データサイエンティストに役立つ資格

データサイエンティストに役立つ資格

データサイエンティストを目指す際には、自分の専門知識を客観的に証明できる資格が大きな強みになります。

ここでは、キャリアを築くうえで役立つ代表的な資格について解説します。

統計検定

統計検定は、一般社団法人 統計質保証推進協会が主催し、日本統計学会が認定している全国共通の資格試験です。

この検定では、統計に関する知識や実践力を客観的に証明できるため、データの活用が重視される現代社会で高く評価されています。

試験は4級から1級まであり、さらに統計調査士やデータサイエンス系など、さまざまな種類が用意されています。

そのため、初めて学ぶ方から専門職の方まで、幅広い層に対応可能です。

特に、DS基礎・発展・エキスパートは、実務でのデータ分析力を測るために新しく設けられた試験として注目を集めています。

データサイエンティスト検定 リテラシーレベル

データサイエンティスト検定 リテラシーレベルは、一般社団法人 データサイエンティスト協会が主催している、データを活用できる人材を育てることを目的とした資格試験です。この検定は、初めて学ぶ方や学生、ビジネスパーソンなど、幅広い方が対象です。

内容としては、見習いレベルの「アシスタント・データサイエンティスト」に必要な知識や実務力が身についているかを評価します。

試験では、ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力の3つの分野に加えて、AIやDXに関する基礎的な知識も問われます。そのため、実際の仕事に役立つスキルを証明できる資格です。データを活用するための最初のステップとして、多くの企業や教育機関から注目を集めています。

G検定・E検定

G検定とE資格は、一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、AI人材育成のための認定試験です。

G検定は、AIを活用するビジネス層を対象としたリテラシー試験で、ディープラーニングの基礎知識や応用力が問われます。

この試験を通じて、AI導入の判断や戦略を立てるために役立つ知識を体系的に学べます。

一方、E資格は技術者向けの実践的な認定試験です。受験にはJDLA認定講座の修了が必要で、理論の理解や実装力が求められます。

特に、数学の基礎やプログラミングの力が必要となるため、より専門的な内容になっているのが特徴です。

これら2つの資格は、AI活用の幅を広げるとともに、産業の競争力を高める人材の育成を目指しています。

そのため、DX推進やAIの実装を担う方にとって、重要なステップです。

データサイエンティストへの転職ならメイテックネクスト

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データサイエンティストの転職成功事例

①人材ビジネス:データアナリスト/データサイエンティスト 年収:660万円⇒大手重工メーカー:IT研究開発職 年収:830万円


②大手素材メーカー:社内SE 年収:1070万円⇒大手コングロマリット:データサイエンティスト 年収:1043万円

この記事の寄稿者

データサイエンティストは、統計やAIを活用して、さまざまな課題を解決し、新しい価値を生み出す専門職です。

主な仕事は、仮説を立てることから始まり、データの分析や結果の提案まで幅広く行います。

また、高い年収が期待できる職業でもあります。

転職やスキルアップを目指す場合は、関連する資格を取得することが効果的です。 

北岡 優子
北岡 優子

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