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データサイエンティストの仕事はなくなる?将来性が高い理由や今後求められるスキルを解説

データサイエンティストの仕事はなくなる?将来性が高い理由や今後求められるスキルを解説

AIの進化や分析ツールの普及により、「データサイエンティストは不要になる」との意見も見聞きするようになりました。

しかし、実際には役割が再定義されており、より高度なスキルと創造力が必要な時代へと変化しています。

本記事では、現状をふまえたうえで将来性や今後必要となるスキル、キャリアパスについてわかりやすく解説します。

データサイエンティストの仕事が「なくなる」といわれる背景

データサイエンティストの仕事が「なくなる」といわれる背景

データサイエンティストは、蓄積された膨大なデータ(ビッグデータ)を分析し、新しい製品・サービスの創出や業務プロセスの改善、経営戦略の立案などにつなげる役割を果たす職種です。

しかし最近「データサイエンティストの仕事は将来なくなるのではないか」といわれることもあります。

ここでは、AIの進化やデータ分析ツールの普及など、データサイエンティストの仕事が「なくなる」といわれる主な理由や将来性について解説します。

データサイエンティストを取り巻く現在の状況について確認し、転職活動を進める際の参考にしてください。

AIの発展

「データサイエンティストの仕事がなくなる」といわれる理由のひとつとして、AI技術が急速に進化していることが挙げられます。

最近では生成AIの発展や、AIを活用したツールやサービスの増加により、これまで専門職が行っていたデータの収集・分析・可視化といった作業がAIの活用で自動化されるケースも増えてきました。

特に、初歩的なデータ分析や予測モデルの作成は、人が関わらなくてもAIツールによって短時間かつ高精度に処理できるようになったことから、効率化やコスト削減を目的にAIツールを活用する企業も増えてきています。


一方で、創造的な仮説を立てたり、倫理的な判断を下したり、ビジネスの状況を考慮して意思決定を行ったりするには、今もなお人間の知識や経験が欠かせません。

これからのデータサイエンティストには、専門的な知識やスキルとAIの力を組み合わせることにより、これまで以上の新しい価値を生み出す力が求められます。


データ分析ツールの普及

近年、プログラミングの知識がなくても使えるデータ分析ツールが急速に広がり、ビジネスの現場に大きな変化をもたらしています。

直感的な操作でデータの可視化や分析ができるツールを導入するケースも増えており、現場の担当者自身がデータを活用して意思決定する環境を整えている企業も少なくありません。

また、専門職であるデータサイエンティストが今までに担ってきた役割の一部が、ツールによって代替される場面も増えています。

しかし、これらのツールが得意とするのは、あくまで表面的な分析にとどまります。複雑な課題の本質を見抜き、それを戦略に落とし込む力は、今もなお人間の専門的な知識やビジネスにおける経験に頼る部分が大きいのが現状です。

今後はデータ分析ツールによって行われる作業も増える一方、データサイエンティストにはより高度な判断や本質的な提案ができる能力がより重要となります。

データサイエンティストの将来性が高い理由

データサイエンティストの将来性が高い理由

「データサイエンティストの仕事はなくなる」との声もありますが、実際にはAIやデータ活用が進むほど専門人材の需要は拡大しており、将来性が高い職種の一つと考えられています。


解決するべき課題が多様化・増加しているため

最近ではビジネスにおける課題も多様化しており、倫理的な判断が必要な場面や将来の予測が難しい事案、業界独自の複雑な問題など、AIやデータ分析ツールだけでは解決できないケースも少なくありません。これらのケースでは特に、柔軟な対応や洞察力、創造力といった人間ならではの能力がますます重要になっていることを押さえておきましょう。


このような環境の中で、データサイエンティストは単なるデータ分析者としてではなく、AIやツールだけでは導き出せないような創造的な仮説を立てる重要な役割を担っています。

ビジネスの本質を深く理解し、目的・目標の達成に向けたデータの活用方法を具体的に設計できる能力があるデータサイエンティストの価値は、課題の多様化・複雑化が進む現代において、今後さらに高まると考えられます。


AIだけでは全てを完結できないため

AIは、大量のデータからパターンを見つけ出し、すでにある情報をもとに予測や分類を行うことが得意です。

そのため、こうした分野では高い精度を発揮しますが、学習したことのない課題に対して新しい解決策を考えたり、状況に応じて柔軟に判断したりすることはあまり得意ではありません。

ここで重要になるのが、人間の視点からAIを活用できるデータサイエンティストの存在です。

データサイエンティストは、AIが導き出した結果をビジネスの状況に合わせて適切に解釈し、新たな課題を発見して、企業としての課題解決や意思決定につながる仮説を立てる役割を担っています。

また、AIの力を最大限に発揮させるためには、データの整理やモデルの選定、アルゴリズムの調整といった専門的な知識・スキルが必要です。

データ分析の専門家であるデータサイエンティストはAIの力を十分に引き出せる貴重な人材でもあるため、AIやデータ分析ツールを活用する多くの企業から重宝されるでしょう。

ビッグデータに取り組む企業が増え需要が拡大しているため

インターネットの普及とデジタル化が進み、企業は顧客の購買履歴や行動パターン、SNSでの発言、IoT機器からのログなど、さまざまな種類のビッグデータを大量に集められるようになりました。

これらの情報は、単なる記録にとどまらず、事業戦略の立案やマーケティング、製品開発、リスク管理など、あらゆる場面で意思決定の根拠となる大切な資源です。

このような状況の中で、ビッグデータを正確に分析し、役立つヒントを見つけ出すデータサイエンティストの役割は、ますます重要になっています。

データサイエンティストは統計学・機械学習・プログラミングといった専門知識を活用し、データの分析に留まらず、経営層の戦略的な意思決定を支える存在としても活躍しています。

今後は、AIとの連携やリアルタイムでの分析がより一層求められるようになることが想定され、データサイエンティストの仕事の幅もさらに広がる見込みです。

高い専門性と戦略的な視点の両方を身につけているデータサイエンティストは需要が高く、今後もデータ分析の専門家としてビジネスの第一線で活躍し続けられると考えられます。


IT人材が不足しているため

日本のIT業界では、ビッグデータやAIの活用が急速に進んでいます。

しかし、それを支える高度な知識やスキルを持つ人材の数は、依然として十分とはいえません。


特に、大量のデータを分析し、価値あるヒントを見つけ出すデータサイエンティストは、分析力と技術力の両方を持つ貴重な存在であり、常に人材が足りない状況が続いています。

IPAによる2024年の調査でも、データサイエンティストが「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した企業の割合がおよそ6割となっています。

 

企業は市場での競争力を高めるためにこのような高い専門性を持つ人材の確保に力を入れており、採用市場の競争も年々激しくなっています。

業種や企業の規模に関係なくデータサイエンティストのニーズが高まっている現在の状況は、学び直しや新しいスキルの習得を通じて自分の市場価値を高めたい人にとって大きなチャンスになります。

データサイエンティストが不足している今、必要な知識やスキルを身につけながら経験を重ねることで、今後の産業を支える中心的な人材へとキャリアアップすることも十分に可能です。

データサイエンティストに今後求められるスキル

データサイエンティストに今後求められるスキル

データサイエンティストには、統計学やプログラミングといった、業務を行ううえで必要となる基礎的な知識・スキルが身についていることが求められます。

しかし、これからの時代はビジネス環境が絶えず変化していくと考えられるため、状況の変化に柔軟に対応できる新しい能力を身につけることも重要です。

ここでは、今後のデータサイエンティストに特に求められるようになると考えられるスキルについて解説します。


人ならではのビジネスへの理解力

データサイエンティストに必要なのは、分析の技術だけではありません。

今後は分析スキルだけでなく、ビジネスの本質を見抜く力や、数字の背後にある課題を読み取り、どの情報が意思決定に直結するのかを見極める洞察力を持つことが重要になります。


また、企業文化や市場の状況といった定性的な要素も考慮しながら、分析結果を実際に使える戦略へと落とし込み、関係者にわかりやすく伝える力があることも、人間ならではの強みです。

例えば、小売業でPOSデータを活用する場合でも、商品の特徴や競合他社の動きなどの理解が、売り上げにつながる具体的な施策の検討に役立ちます。

AIがどれだけ進化しても、このような「文脈を読み取る力」は人間からAIへと簡単には置き換えられません。


業界に関する知識と現場での感覚を組み合わせ、経営層に響く提案を形にできる人材こそ、これからの時代にますます重宝されると考えられます。

より高度で専門的なプログラミング能力

AIや機械学習の発展により、データサイエンティストには基本的なコーディング以上の専門性が一層求められるようになっています。

具体的には、PythonやSQLを使いこなして複雑かつ大量のデータを効率よく処理し、最適なアルゴリズムを自ら設計し実装する力や、ゼロからモデルを作り上げ、業務の要件に合わせてカスタマイズできる技術力が必要です。


また、既存のライブラリやツールに頼るだけではなく、課題に合わせて独自の分析手法を開発できる柔軟性も欠かせません。

このような高度なプログラミング能力は、ツールの操作だけにとどまらず、ビジネスに新たな価値を生み出す「設計力」として発揮されます。技術と戦略の両方を理解し、それらを結びつけてデータ分析を最適化できる人材は、企業を取り巻く環境の変化にも柔軟に対応できるため、今後も第一線で活躍し続けられると考えられます。


AIには真似できないクリエイティブ力

AIや機械学習が発展し続ける現代において、データサイエンティストが担う役割は「データの分析」だけではなく、そこから「新しい価値を生み出す創造力を発揮すること」へと変化しています。分析の結果をただの予測で終わらせず、そこから誰も気づかなかった課題を見つけ出し、新しいビジネスモデルやサービスへと発展させる力が求められることを押さえておきましょう。

また、AIが導き出した答えをさまざまな角度から考え、直感や経験も活かしながらデータに基づいて自分なりの仮説を立てる姿勢は、人間ならではの知的な挑戦です。自動化が進む時代だからこそ、こうしたクリエイティブな考え方が他社と差をつけるポイントとなり、未来のイノベーションを生み出す大きな力につながります。

データサイエンティストのキャリアパス

データサイエンティストのキャリアパス

データサイエンティストは、AIなどのツールを活用し新しい価値を生み出せる人材として需要が高まっている職業であり、その道のスペシャリストを目指す方も多く見られます。

一方、キャリアの進み方はひとつに限られているわけではなく、他の職種へとキャリアチェンジする方も少なくありません。

データサイエンティストとして高度な知識を身につけ、多様な経験を積むことによりキャリア形成の幅も広がるため、さまざまなキャリアパスを考えられるようになります。

AIエンジニア

AIエンジニアは、AI技術を活用してクライアントが抱える課題を解決する方法を導き出す専門職です。

モデルの開発・構築からシステムの実装、運用、最適化まで幅広く担当する職業ですが、統計学や機械学習、PythonやSQLといったプログラミング言語の知識・スキルが必要とされるなど、データサイエンティストと共通する点も少なくありません。

また、膨大なデータを扱う経験や、アルゴリズムの設計・検証に関する能力なども、AIエンジニアとデータサイエンティストの両方に共通するポイントです。以上のことから、データサイエンティストからAIエンジニアへのキャリアチェンジは、自然かつ戦略的なステップアップであり、より実践的なスキルを身につけたい方にもおすすめのキャリアパスと考えられます。


プロジェクトマネージャー

データサイエンティストとしての知識やスキルを身につけた後は、プロジェクト全体をまとめる役割を持つプロジェクトマネージャーへとキャリアチェンジする道も考えられます。

プロジェクトマネージャーは、計画の立案から進捗や予算の管理、さらにはメンバーの育成まで幅広く担当する職種です。

マネジメント能力やコミュニケーション力、現場との信頼関係の構築が必要となる仕事ですが、プロジェクトマネージャーには、現場で起きている課題を正確に把握して戦略的な判断を下す能力も欠かせません。

データサイエンティスト経験者には、データサイエンティストの仕事で習得した分析力や技術的な知識をベースに合理的な判断を行うことや、技術面を考慮した計画調整やメンバーへの配慮ができるという強みがあります。

業務を通して現場との信頼関係を構築しやすいため、マネジメント業務も比較的スムーズに行うことが可能です。

また、管理職として技術面における理解があることは、現場の技術と経営層の判断をつなぐ際の大きなアドバンテージとなります。

データサイエンティストの仕事で身につけた技術力を活かしながら、マネジメント能力やコミュニケーション力を向上させることを常に心がけることで、プロジェクトを成功に導く重要な役割を担う存在になれるでしょう。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、データ分析力とビジネスの感覚を組み合わせて、企業が抱える経営課題をITの力で解決へと導く戦略的な役割を担う職種です。

ITコンサルタントの主な仕事は、顧客の現状を丁寧にヒアリングし、その内容をもとにデータに基づいた提案を行うことで、システムの導入や業務の改善をサポートすることです。データサイエンティストの経験をうまく活かすことができれば、データ分析の視点から課題を見つけ出し、実行力のある施策を立案することも可能です。また、さまざまな業界や企業が抱える多様な課題の解決に携わることで、知識や経験の幅も広がり、自身の市場価値を高めることにもつながります。

ITコンサルタントは技術的な支援を行うだけでなく、経営層の意思決定にも関わる「伴走型」のパートナーとしても重要な役割を担う仕事であるため、クライアントと信頼関係を築くことも重要です。データサイエンティストとして身につけた知識やスキルを活かしながら、クライアントの課題解決に向けて積極的にコミュニケーションやプレゼンテーションを行いましょう。

ITコンサルタントは、自分のアイデアが形になったときや、クライアントの課題が解決したときには大きな達成感を得られる仕事です。

人のために献身的に働ける方やクリエイティブな仕事をしたい方にとっては特にやりがいを感じやすい職業であると考えられます。

データサイエンティストへの転職ならメイテックネクスト

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データサイエンティストの転職成功事例

①人材ビジネス:データアナリスト/データサイエンティスト 年収:660万円⇒大手重工メーカー:IT研究開発職 年収:830万円


②大手素材メーカー:社内SE 年収:1070万円⇒大手コングロマリット:データサイエンティスト 年収:1043万円

この記事の寄稿者

AIなどのツールが進化する中で、データサイエンティストの役割も変化しています。

しかし、創造力や専門的な知識、状況を読み取る力を持つデータサイエンティストは、今後も多くの分野で必要とされる重要な職業です。

転職を考えている方は、将来性のあるキャリアのひとつとして、データサイエンティストを検討してみてください。

香川 恵
香川 恵

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