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電験三種の年収は?職種別の平均年収や年収アップを目指すキャリアプランを紹介

電験三種の年収は?職種別の平均年収や年収アップを目指すキャリアプランを紹介

電気主任技術者の資格の中でも多くの人が目指す「電験三種」ですが、実際にどのくらいの収入を得られるのか疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、電験三種の平均年収や職種別の収入の水準、資格手当の目安を整理しつつ、収入アップにつなげる方法や資格取得のメリットについて解説します。

電験三種(第三種電気主任技術者)の平均年収は約500万円

電験三種(第三種電気主任技術者)の平均年収は約500万円

電験三種(第三種電気主任技術者)の資格取得者の全国的な平均年収は約500万円とされています。

ただし、実際の年収は勤務する業界や企業規模、担当職種(保守・設計・運転管理など)、雇用形態、配属地域に加え、年齢や実務経験年数といった要素が重なり合って大きく増減します。

また、プロジェクトマネジメントを含む待遇や上位職への登用があるポジションでは提示額が上振れする例も見られるため、「約500万円」はあくまで全体の目安として捉え、実際の求人や自身のキャリア要件と照らしあわせて評価することが重要です。


加えて、資格手当の有無や残業時間の多寡など勤務条件も収入水準に影響するため、単純な平均額だけでなく総合的に待遇を確認する視点が欠かせません。

電験三種は将来性が高い?

電験三種は将来性が高い?

電験三種を取得すると、工場やオフィスビル、商業施設などに設置された電気設備や受変電設備の保守・点検、運転管理といった実務に携わることができ、就職先は製造業や電力会社、建設関連企業など幅広い分野に及びます。

加えて、法令により選任が義務付けられる業務を担うため需要は安定しており、資格手当の支給や上位資格へのステップアップの機会があることも将来性を支える大きなポイントです。

さらに、求人水準や年収レンジは業界や企業規模、担当業務、雇用形態、経験年数によって変動しますが、設備管理や運転管理の領域では専門性が特に評価されやすい傾向があります。

また、再生可能エネルギーやデータセンターなどの新しい分野においても電気主任技術者の役割は欠かせないため、電験三種の資格は従来産業にとどまらず成長領域でも活かせる強みを持っています。

具体的な年収や職種については順を追って詳しく解説していきます。

電験三種取得者の職業や平均年収

電験三種取得者の職業や平均年収

電験三種を取得した人は、さまざまな業界で専門知識を発揮できます。ここからは、その働き方の特徴や待遇面の傾向について詳しく見ていきます。

電気設備設計

求人ボックスの統計によると、2025年月の求人情報から算出した電気設備設計の正社員の平均年収は約503万円です。

電気設備設計は、建物や工場などに設置される電気設備を設計し、図面に落とし込む仕事です。

配線や照明、受変電設備を適切に配置し、安全かつ効率的に電力を供給できる仕組みを整えることが求められます。

設計段階での判断が施工や運用に直結するため、高度な専門知識と責任感が欠かせません。

この分野の技術者は、建設会社やプラントメーカー、設備工事会社など多様な現場で活躍しています。

大規模な案件ではゼネコンや官公庁と関わる機会も多く、社会的な影響力の大きなプロジェクトに携わることも可能です。

電験三種を取得していると、設計における保安面を専門的に検討できる点が強みとなり、企業からの信頼や資格手当といった待遇面に反映されやすくなります。

法令に基づいた知識を備えていることは、設計業務を支える大きな要素です。

また、経験やスキルによってさらなる収入増も期待できます。地域差はあるものの、専門性の高さから安定したキャリアを築きやすい職種です。

データセンターエンジニア

データセンターエンジニアは、建物における物理インフラの設計や運用を担うファシリティエンジニアの一種です。

年収は求人によって幅がありますが、500万〜600万円の求人が多く見られ、電験三種を活かせる職種の中でも比較的高水準の年収が期待できる職種です。

主な業務は受変電設備、UPS、発電機、空調、消火、監視システムの運用・保守などであり、大規模なサーバー群を24時間体制で安定稼働させることが求められます。

こうした業務は障害発生時の迅速な対応力も問われるため、電力や冷却システムなどの高度な技術知識と判断力が欠かせません。

特に一定規模以上の事業用電気工作物の設置には電気主任技術者の選任が必要となるため、電験三種を保有していると保安監督や点検計画の策定で評価されやすく、業務範囲の拡大や資格手当の面でも有利に働きます。

活躍の場はクラウド事業者、コロケーション事業者、通信キャリアの大規模拠点など幅広く、入退室管理や電源切替試験、更新工事の調整といった現場対応力も重要視されます。

制御設計エンジニア

求人ボックスの統計によると、2025年4月時点での求人情報から算出された制御設計エンジニアの正社員平均年収は約514万円とされています。


制御設計エンジニアは、家電や産業機械を意図どおりかつ安全に稼働させるため、PLCを用いたシーケンス制御プログラムの作成、電気図面の設計、現地でのデバッグまでを担う専門職です。

活躍の場は自動車、産業機械、半導体製造装置、空調機器など幅広く、装置仕様の検討から試運転調整、改良提案まで、一連の工程に携わりながら現場対応力を発揮します。

また、工場などで受配電設備を有する拠点では保安監督者の選任が必要になるため、電験三種の知識は安全要件の理解や設備部門との調整に役立ち、業務全体の信頼性向上に結びつきます。

自動化や省エネ技術の進展に伴い制御設計の重要度は年々高まっており、新しいシステムの導入や既存設備の更新に対応できる人材は、今後も継続的に需要が見込まれます。

設備保全エンジニア

求人ボックスの統計によると、正社員の設備保全エンジニアの平均年収は約455万円とされています。


設備保全エンジニアは工場やプラント、物流拠点、病院などの生産設備・受配電設備を対象に、点検・修理・予防保全を行い、突発停止を防いで稼働率と安全性を維持する役割を担います。

また、近年は省エネや環境対策の観点から設備改善に取り組む業務も増えており、効率的な運用を図る技術力が求められます。

受変電設備を備える工場では電気設備の保安監督体制が重視されるため、電験三種の知識は設備側の要件理解や保全計画の策定、点検記録の適正化などに活かすことができ、職域拡大や評価につながります。

なお、活躍の現場は生産ラインの定期点検から故障解析・部品交換、更新工事の立ち会いまで多岐にわたり、日常の巡回と計画保全を両輪として安定稼働を支える仕事が中心です。


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機械設計エンジニア

求人ボックスの統計によれば、2025年4月時点の求人情報から算出された機械設計エンジニアの正社員平均年収は約473万円とされています。


機械設計エンジニアは、製品や装置の構造・機構・外観を設計し、要求仕様から構想設計を行い、3D-CADを用いて部品図や組立図を作成し、材料や公差、強度、保全性を考慮した図面に仕上げる役割を担います。

この職種は半導体製造装置や自動車関連設備、家電の生産機械、搬送装置や産業用ロボットなど幅広い分野で活躍し、設計検討から試作評価、量産立上げ、設計変更対応まで多様な工程に関与します。

また、高圧受電設備を有する工場向け装置やモータ駆動系を扱う案件では、電験三種で学ぶ受変電の基礎知識や電気保安の視点が、電源要件や安全設計、保守性の検討に役立ち、製造部門や保全部門との調整にも活かされます。

年収水準は業界や企業規模、担当領域、経験年数によって変動し、上流工程やプロジェクト管理を担うほど給与の伸びが期待できます。


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電験三種取得者の資格手当の相場

電験三種取得者の資格手当の相場

資格手当とは、従業員が業務に必要な国家資格や専門資格を取得・保有している場合に、基本給に上乗せして支給される手当を指します。

給与に直接反映されるため、資格を持つことで年収が上がり、収入の安定にもつながります。

電験三種の取得者に対して、電気設備の保安管理を担う企業や製造業などで資格手当が支給される例が多く見られます。

業務上必須とされる場面も多いため、他の資格に比べても幅広い業種で手当を受けやすい点が特徴です。また、転職や昇進時の待遇交渉においても資格の有無は有利に働く可能性があります。

資格手当の金額は勤務先の規模や業界によって異なりますが、電験三種の場合は月額5000円から1万5000円程度が一般的で、平均すると1万円前後が相場とされています。年間に換算すると約12万円の上乗せが見込めるため、電験三種の取得は金銭面で大きなメリットにつながります。

企業によっては資格手当に加えて役職手当や職務手当といった形で資格保有に対する評価が反映されることもあり、収入をさらに底上げする効果が期待できます。

電験三種取得者が年収1000万円超を目指すキャリアプラン例

高収入を目指すには、資格を活用するだけでなく、実務経験の蓄積や職場環境の選択、さらには独立といった多様な選択肢を検討することが欠かせません。

ここでは、年収1000万円を超える可能性を広げるための具体的なキャリアパスについて解説します。


電験二種・電験一種へとステップアップする

より大きな裁量や報酬を得たい場合には、電験三種の次に電験二種・電験一種へ挑戦することが有効です。

電験二種を取得すると、扱える事業用電気工作物の電圧範囲が17万V未満まで拡大し、業務領域が大きく広がります。

特に、特別高圧の受変電設備や大規模プラント・変電所、特高太陽光発電所などで保安監督や運用に携われるほか、系統連系を踏まえた設計や更新計画といった高度な責任業務に就くことが可能になります。

さらに、電験一種を取得すればすべての事業用電気工作物を扱うことができ、発電所や大規模送電設備など国家的インフラに直結する重要な施設でも活躍の場が広がります。

試験難易度は非常に高いものの、専門性と責任の大きさに応じて待遇も一層高水準となり、電気技術者としての到達点のひとつとなります。

電験一種・二種は難関資格ですが市場価値が高いため、転職や昇進の幅が広がり、年収の上昇が期待できます。

キャリアアップを図るなら、電験三種取得後に実務経験を積みながら電験二種、将来的には電験一種まで見据えるルートを検討するのがおすすめです。

経験を積んで昇進し、上のポジションに就く

業務経験を重ねることで、電気設備の運用や保守にとどまらず、現場を統括する主任技術者や管理職といった上位の役職を目指す道が開けます。

その段階では、設備知識やトラブル対応力に加えて、部下を指導し組織をまとめるマネジメント力が求められ、技術者としての枠を超えた役割を担うことになります。

上位職では経営層や顧客との調整業務に携わる機会も増えるため、プレゼンテーション力や交渉力といった対外的なスキルの習得も重要となります。

こうした力を備えることで、企業全体の信頼を得る存在として評価されやすくなります。

昇進後は、責任ある業務を遂行する代わりに給与や待遇面が改善され、安定したキャリア基盤を築きやすくなり、長期的な就労環境の確保にもつながります。

より良い条件で転職する

電験三種は幅広い業種で求められる資格であるため、転職活動において有利に働きやすく、自分に合った条件の企業を探す上で大きな強みとなります。

この資格を活かすことで、給与の増額や福利厚生の充実といった待遇改善が期待でき、希望する働き方に合わせた職場選びが可能になります。

また、長期的なキャリア形成においても電験三種は高く評価されやすく、採用担当者から即戦力として認識される場合が多い点も魅力です。

業界をまたいだ転職を検討する際にも、資格の保有が応募先への説得力を高める材料となります。

さらに、再生可能エネルギーやデータセンターといった成長分野への挑戦機会も広がり、これまでの経験を新たな分野で活かすことができます。

転職エージェントを活用すれば、非公開求人を含む幅広い選択肢の中から比較検討ができ、次のキャリアを戦略的に築くための有力な手段となります。

エンジニア転職ならメイテックネクスト

エンジニア転職ならメイテックネクスト

転職で年収や待遇の向上を目指すエンジニアにとって、自身の専門領域を理解した支援を提供できる転職エージェントを活用することは大きな効果につながります。

ここからは、電験三種取得者の転職事例と、活動を進める上で役立つ具体的なアドバイスを紹介します。


電験三種取得者の転職成功事例


【転職成功事例①】

<電気事業会社から半導体製造装置/精密計測装置メーカーへ>

電気事業会社 550万円 ⇒ 半導体製造装置/精密計測装置メーカー 約633万円

 

【転職成功事例②】

<鉄鋼メーカーから大手自動車メーカーへ>

鉄鋼メーカー 600万円 ⇒ 大手自動車メーカー 約759万


エージェントからのアドバイス

現在、電気主任技術者はビルや病院だけでなく、工場やプラントといった製造業、さらには近年需要が急増しているデータセンターなど、幅広い分野で求められています。 

 

加えて、SDGsの推進や脱炭素社会の実現に向けたインフラ整備においても、電気主任技術者の専門性は今後ますます重要性を増していくでしょう。 

 

こうした背景から、電気主任技術者の資格を活かした転職先としては、製造業やデータセンターを目指すことが有力な選択肢となります。

 

将来的には第2種・第1種へのステップアップだけでなく、エネルギー管理士を併せて取得することで、「電気点検+エネルギー管理」の両面から工場全体の運営に関わり、裁量あるポジションで活躍できる可能性も広がります。 

 

電気主任技術者の資格をキャリアアップにつなげたい方は、ぜひ一度メイテックネクストへご相談ください。エンジニア専門のキャリアアドバイザーが、将来を見据えた最適な転職をご提案します。

この記事の寄稿者

電験三種の資格は、安定した平均年収や資格手当といった経済的なメリットに加え、幅広い職種で活かせる将来性の高い資格です。

今後ますます活躍の場が広がっていくことも期待されます。

 

より良い環境を目指したい方は、上位資格への挑戦や、自身に合ったキャリアの選択肢を検討することで、目標に沿った次の一歩を具体的に描いていけるでしょう。ぜひ弊社メイテックネクストにご相談ください。エンジニア専門のアドバイザーが、あなたの可能性を一緒に広げていきます。

幡多秀駿
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