オンライン(WEB・リモート)面接とは?面接の流れやマナー、よくあるトラブルと対策について解説
オンライン面接とは、パソコンやスマートフォンを通じてインターネット上で行われる面接方法です。
近年は多くの企業で導入が進み、転職活動においても一般的なスタイルのひとつとなっています。
移動の負担がなく効率的に面接を受けられる一方で、通信環境やカメラ映りなどオンラインならではの注意点もあります。
本記事では、オンライン面接の流れやマナー、よくあるトラブルとその対策について、対面面接との違いも交えながら解説します。
オンライン(WEB)面接とは

まずは、オンライン面接の概要や対面面接との違いについて簡単におさらいします。
オンライン面接の概要
オンライン面接とは、パソコンやスマートフォンを通してインターネット上で行われる面接のことです。
この呼び方はあくまで俗称であり、企業によっては「WEB面接」や「リモート面接」とも呼ばれます。
オンライン面接のメリットとして、採用担当者と画面越しに面接を行うため時間や場所の制約を受けにくく、遠方の求職者も手軽に面接を受けられる点が挙げられます。
また採用担当者側も、試験場を準備する手間やコストを省けるメリットがあります。
オンライン面接は、コロナ禍により対面接触を避ける風潮が広がる中、制約下でも採用活動を進めるために、従来の対面面接に代わる形で急速に普及しました。
コロナ禍が収束した現在でも、時間や費用の面でメリットが多いことから、引き続き多くの企業で実施されています。
対面での面接との違い・聞かれること
対面面接では試験会場、すなわち面接官と同じ空間で面接を行うのに対し、オンライン面接ではWEB会議ツールを利用して画面越しに面接を行います。
そのため、時間や場所の制約を受けにくい一方で、対面と比較して表情や雰囲気といった非言語情報が伝わりにくい傾向にあります。
したがって、オンラインでは話し方やリアクションの仕方などを意識的に工夫する必要があります。
面接で聞かれることについては、対面とオンラインで特に違いはありません。一般的な面接でよく聞かれる自己紹介や志望動機、自己PR、転職理由、自分の強み・弱み、成功体験、挫折体験、逆質問などです。これらの質問の答えをあらかじめ準備しておき、オンライン面接でもしっかりと伝わるように工夫しましょう。
面接の回答については、下記の記事でも詳しく紹介しています。
関連記事:【転職面接向け】自己紹介の回答例文|押さえておきたいポイントも紹介
関連記事:【例文付き】転職面接で聞かれる成功体験|質問の意図や答え方について解説
オンライン(WEB)面接のやり方|一般的な流れ

オンライン面接では、求職者が会場に出向くことなく自宅などで実施するため、実質的に自宅が面接会場になります。
対面の面接と聞かれることは変わりませんが、オンライン面接ならではの特徴を理解しておくことが必要です。
以下では、一般的なオンライン面接の流れを解説します。
1.オンライン面接用の接続URLを受け取る
オンライン面接の日程が確定すると、企業から面接用のツールやURLに関する案内がメールなどで送られてきます。
そのURLにアクセスできるか、ほかに注意事項などが書かれていないかを確認しましょう。
また、面接に必要なアプリなどがあれば、事前にインストールしておきます。
パソコンで面接を受ける場合はブラウザ対応になるケースがほとんどですが、スマートフォンやタブレットの場合はアプリが必要になる場合があるので、どの媒体で面接を受けるのかを踏まえて準備することが大切です。
当日になって慌てることがないように、ツールの操作方法の確認、面接を受ける場所の背景チェック、服装の準備などもしておきましょう。
2.面接開始時刻にオンライン面接会場で待機
面接の当日は遅刻厳禁です。
開始時間の5分前には面接用のURLをクリックし、待機しておきましょう。
少し早めに待機することで、ツールや接続のトラブルがあっても、落ち着いて対処することが可能です。
企業から「5分前から入室可能」といった案内が届いている場合は、その時間に入室します。
あまり早い時間に入室すると、面接官がほかの業務をしていることもあるので、「配慮がない」という印象を与えかねないため注意が必要です。
指定の時間にURLをクリックしても入室できない場合は、URLか時間が間違っていないか確認しましょう。
マイクやカメラの接続もチェックし、異常がないことを確認してください。
3.面接官が入室してきたらまず挨拶し、面接を受ける
面接官が入室してきたら、いよいよ面接が始まります。最初の印象が大切なのは対面面接と変わりません。
「○○です。本日はよろしくお願いします」と、はっきりした声で明るく挨拶することから始めます。
オンラインでは対面よりも音声が聞こえづらくなることがあるため、普段の話し声よりも大きめの声を意識するよう心がけ、面接官にスムーズに聞こえているか気を配りながら話しましょう。
また、対面と同じく面接官の目を見て話すようにするため、カメラに視線を向けることも大切です。
4.面接のお礼を伝え、会場からログアウトする
面接が終了したら、「本日はお忙しいところ、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」などと挨拶し一礼して締めくくります。
通常は、面接官の「それではここで終了いたします」という指示を待ち、面接官が退出してから退出します。
面接官から「お先にどうぞ」と促された場合は、「お先に失礼します」と一言挨拶をしてから退出します。
面接時だけでなく退出時の印象も残りやすいため、最後まで気を抜かないよう注意しましょう。
オンライン(WEB)面接の事前準備

オンライン面接では、パソコンかスマートフォンまたはタブレットに加えて、アプリが必要になるケースもあります。
また、途中で通信が途切れるなどしないように、ネット環境の確認も必要です。
以下では、オンライン面接にあたり事前に準備しておくべきことを解説します。
オンライン面接で用意するもの
オンライン面接に使用するデバイスは、パソコン・スマートフォン・タブレットのどれでも構いませんが、カメラやマイク、スピーカーが内蔵されているか、または外付けで準備できるのかを確認しておきましょう。カメラやイヤホン、マイクがきちんと作動するかどうかも要確認です。
スムーズにオンラインで面接を行うためには、安定したネットワーク環境が欠かせません。基本は一般的な4G回線レベルで問題ありませんが、企業が指定するツールによっては速度が変わる可能性もあるので、注意が必要です。
オンライン面接でよく使われるアプリケーション
オンライン面接でよく使用されるアプリには、「Google Meet」「Zoom」「Microsoft Teams」などがあります。
・Google Meet
Google社が提供するビデオ会議ツールで、パソコンでもスマートフォンでも利用できます。利用するにはGoogleアカウントが必要です。1対1だけでなく、大人数でのオンライン会議でも活用されます。
オンライン面接の推奨帯域幅……1080p:最大3.6Mbps(上り / 下り)
・Zoom
Zoom Video Communications社が提供しているオンライン会議ツールです。企業だけでなく個人にも浸透しているツールで、パソコンやスマートフォンから手軽に会議に参加できます。パソコンからはブラウザ対応ですが、スマートフォンにはアプリが必要です。
オンライン面接の推奨帯域幅……高画質ビデオ用:600kbps(上り / 下り)
・Microsoft Teams
Microsoft社が提供しているオンライン会議ツールで、1対1のチャットやオンライン面接、大人数の会議まで対応できます。オンライン面接の場合、グループ面接にも対応します。スマートフォンにはアプリが必要です。
オンライン面接の推奨帯域幅……ビデオ 1対1:1.5Mbps(上り / 下り)
オンライン(WEB)面接でのマナー

オンライン会議での言葉遣いや服装などのマナーは、基本的に対面面接と同じです。しかし、オンライン面接には独特のマナーや注意点もあるので、事前に押さえておきましょう。
静かな環境からアクセスする
面接を受ける場所は、できるだけ静かな場所を選び、カフェなどの騒がしい場所は避けましょう。
自宅で面接を行う場合は、同居人がいるのであれば面接がある旨を伝えておき、面接時間中は話しかけたり、テレビやラジオの音などが入ったりすることがないよう協力してもらいましょう。面接に集中するために、静かな環境を整えることが大切です。
服装や背景、見えない部分にも気を配る
オンライン面接でも、服装は対面面接のものと同じです。オンラインでは上半身しか映りませんが、もし下半身が映っても問題がないように、スーツの着用が基本です。
また、背景にも工夫が必要です。余計なものが映らないよう、白い壁や無地のカーテンなどを背景にするのがおすすめです。家具の映り込みは特に問題ありませんが、ポスターなどが貼ってある場合は映り込まないよう注意しましょう。
視線はカメラに向け、カンペは使い方に注意
オンライン面接の場合、カメラのレンズに目を向けて話すようにしましょう。
面接官には目が合っているように映ります。面接官が話しているときに顔を見たい場合は、画面に視線を移しても問題ありませんが、話すときには必ずカメラに目を向けるようにしましょう。
また、カンペ(メモ)を使用する場合は、カメラの近くに配置しておくのがおすすめです。視線が下がらず、よそ見をしているように見られにくくなります。さらに、メモは箇条書きやキーワード中心で作成すると自然な会話になりやすく、文章を読み上げているような印象を避けられます。
手元に置いておくのは避けましょう。メモがあると、どうしてもそちらのほうに目が移りがちになります。面接中に下を向いていることが多いと、顔が見えなくなり、よそ見をしているように捉えられかねません。
このように事前に整理して工夫しておくことで、落ち着いて自分の言葉で伝えることができます。
対面ではないからこそ、オンライン面接では「視線」を意識し、ただ文章を読んでいるだけに見えないようにすると良いでしょう。
オンライン(WEB)面接での印象をよくするテクニック

面接に合格するためには、印象をよくすることが大切です。
特にオンライン面接の場合、対面面接は環境が違うため、話し方やカメラ映りなどに工夫が必要になります。
カメラ映りがよくなるようセッティングする
顔が暗くなってしまうと印象もよくありません。影にならないように照明を調節し、自然な明るさにしましょう。また、証明写真のように肩から上が画面に収まるように、カメラとの位置を適切に保つこともポイントです。
カメラの位置は、目の高さに合わせると自然な目線になります。そのままでは目線が合いにくい場合は、台などを使って目線とカメラを合わせるように調節しましょう。
大きな声でゆっくり・ハキハキと話す
オンライン面接の場合は、音声が聞き取りにくいことがあります。そのため、対面のときよりも大きな声で話すよう心がけましょう。
話すときは早口にならず、ゆっくりと区切るようにして話すと、面接官に伝わりやすくなります。
滑舌よく、ハキハキと話すことで自信があるように見え、よい印象を与えられます。
ボディーランゲージを意識して使う
対面では雰囲気や表情、身振り手振りなどが求職者の印象を左右することがあります。しかし、オンライン面接の場合は、カメラに映る範囲でしか求職者の情報が入ってこないため、適度なボディーランゲージを入れることも印象を残すためのテクニックです。
面接官の話に頷いたり相槌を打ったりすると、面接官の話を聞いているというアピールができます。
また、笑顔を常に意識することで、明るく親しみやすい印象を与えられます。
オンライン(WEB)面接でよくあるトラブルと事前対策

オンライン面接では、対面面接では起こりえないトラブルが起こる可能性もあります。トラブル時には慌てずに対処することが大切です。
どのようなトラブルが起こりやすいのか、どのように対策すればよいのかを、よくあるトラブルを例に挙げながら紹介します。
通信障害や機材トラブルが起こってしまった
オンライン面接では、通信が途切れる、機器が落ちるなどのトラブルが発生しがちです。トラブルが起きたときは、すぐに企業に連絡し、冷静に対処することが大切です。事前に担当者の連絡先を控えておくと、焦らずに対応できます。
また、サブのデバイスを用意しておくことも機器トラブルの対策になります。
部外者の映り込みや騒音が入ってしまった
面接中の部屋に家族やペットが入ってきたり、電話がかかってきたりといったことも、よくあるトラブルの例です。
家族には面接がある旨を前もって話しておき、協力してもらうとよいでしょう。スマートフォンも電源をオフにする、機内モードにするなどの対策で、面接中に通知音が鳴ることを防げます。
また、予定外の来客でインターホンが鳴るなどした場合は、いったん話すのを中断し、「申し訳ございません」と一言添え、音が止んでから話し始めましょう。
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オンライン面接の基本的な流れやマナーは、しっかり押さえることで自信を持って臨めます。
また、オンライン面接や通常の面接では、次の3点を意識して回答すると良い印象を与えることができます。
・結論から伝える
質問への回答は「結論 → 理由」という流れで答えると論理的に聞こえます。
例)「○○については2点あります。1点目は〜、2点目は〜、理由は〜です。」
・経験は目的と根拠を示す
ご自身の経験を話す際には「なぜ必要だったのか」を明確にし、数値など具体的な根拠を添えて伝えると説得力が増します。
・一貫性を持たせる
退職理由や転職理由、志望動機、活かせる経験、入社後に実現したいこと、将来のキャリア像は、一本筋の通った内容かどうかを面接前に確認しましょう。
想定外の質問が出ても、あらかじめ準備した「軸」に沿って答えることでぶれのない印象を与えられます。オンライン・対面を問わず、回答に一貫性があるかを意識することが、面接官に好印象を残すポイントです。特にオンライン面接では、ただ文章を読んでいるように見えないよう「視線」を意識するとより良いでしょう。
しかし実際の面接では、企業ごとに評価されやすいポイントやよく聞かれる質問が異なるため、一般的な準備だけでは不安が残ることもあります。
弊社メイテックネクストでは、エンジニアの転職支援で培ったノウハウを活かし、各企業ごとに最適化した面接対策を行っています。
例えば「どの質問に重点を置くべきか」 「 回答をどう整理すると説得力が増すか」「キャリアの一貫性をどう示せばよいか 」といった実践的なアドバイスを個別にお伝えしています。
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この記事の寄稿者
オンライン面接は場所や時間の制約を受けにくい一方で、対面面接とは環境が異なるゆえの独特の注意点もあります。
どのデバイスで行うのか、何が必要なのかを把握し、話し方の工夫やオンラインならではのマナーや注意点をしっかりと押さえておくことが、オンライン面接の合格のカギとなります。

- 渡部 伸