転職面接の服装ガイド|男女別、シーン別、業界別ポイントや注意点を解説
転職面接の際、第一印象を決める重要な要素のひとつが服装です。
清潔感があり、業界にふさわしい装いを選ぶことは、自身の信頼感や好印象を与えることにつながります。
本記事では、男女別の服装マナーに加え、季節ごとの注意点やオンライン面接でのポイント、さらに直前に確認すべきチェックリストまで詳しく紹介します。
面接の服装は第一印象を左右する重要要素

面接では、スキルやこれまでの経験に加えて、第一印象を決める「見た目」も評価を左右する大切なポイントになります。
特に、服装はビジネスマナーやTPOへの理解を示すものとして、面接官が重視する要素のひとつです。
相手に好印象を与えて面接試験を無事クリアするために、この記事で紹介している服装選びの基本や面接前にチェックすべきポイントを押さえておいてください。
面接官は服装のどこを見ているのか
面接官が服装で重視するのは、流行やセンスそのものではありません。
大切なのは「社会人として信頼できそうな服装なのか」という点です。
例えば、体に合ったスーツ、整った髪型、控えめなメイクなど、清潔感や誠実さが伝わる身だしなみは高く評価されます。
面接はおしゃれを競う場ではなく、第一印象で「安心して仕事を任せられる」と思ってもらうことが重要です。
個性を強調するよりも、基本を押さえて丁寧に準備することが、信頼を得るための最も確実な方法です。
業界共通で求められる要素
どの業界でも共通して求められるのが、「清潔感」と「TPO(時・場所・場合)に合った服装」です。
人の第一印象は、出会った瞬間のほんの数秒で決まると言われています。
そのため、服装や身だしなみは、自身の信頼性やビジネスマナーを映し出す重要な要素となります。
例えば、髪や爪、靴まで丁寧に手入れされているか、服のサイズや色柄が場にふさわしいかといった細部への配慮が欠かせません。
特に面接は、自分自身を企業にアピールする場であり、服装もまたプレゼンテーションの一部です。
高価な服を着ているかどうかよりも、清潔で整った身だしなみのほうが、「この人と一緒に働きたい」と思わせる力を持っています。
男性の服装マナー

面接では、服装だけでなく細かな身だしなみまでしっかりと観察されます。
そのため、基本的なマナーを身につけておくことが必要です。
ここでは、男性の失敗しないスーツの選び方や着こなしのコツについて解説します。
スーツ・シャツ・ネクタイの選び方
転職面接において、第一印象が非常に重要です。服装は「清潔感」と「信頼感」を意識して選びましょう。
・スーツ:基本はシングルボタンのテーラードスーツ、一般的なビジネススーツが適しています。
・シャツ:アイロンがしっかりとかけられたレギュラーカラーのシャツが好ましいです。ボタンダウンシャツはカジュアルな印象が強いため、面接には不向きです。
・ネクタイ:幅7~8cmのものを選びましょう。キャラクターや派手な模様のネクタイは避け、シンプルなネクタイピンで上品にまとめると好印象です。
また、細部の手入れも忘れずに行いましょう。服装を丁寧に整えることで、清潔さとともに誠実さや信頼感がより強く面接官に伝わります。
サイズ感と色の基本ルール
スーツ・シャツ・ネクタイに共通して重要なのは、「体に自然に馴染むサイズ感」と「落ち着いた色合いの選択」です。
肩幅・袖丈・着丈が合っていないと、だらしなく見えたり、逆に窮屈な印象を与えたりして、全体の印象が損なわれます。
特に「オーバーサイズ」や「きつすぎるサイズ」は避け、動きやすくフィット感があることを意識しましょう。
色合いは、ネイビーやチャコールグレーのスーツに白いシャツ、控えめな柄のネクタイが基本です。
奇抜なデザインで個性を出すよりも、誠実さや信頼感を印象づける落ち着いた配色を選ぶことで、面接官に安心感を与えられます。
靴・バッグ・小物の整え方
服装だけでなく、靴や小物といったものも自身を印象づけるポイントです。
服装同様に、清潔感と統一感を意識した身だしなみを心がけましょう。
靴:黒や茶色のレザー製の紐靴が基本で、スウェード素材や派手なデザインは避けてください。
靴下は黒や濃紺の無地が無難で、白や柄物は控えたほうが賢明です。
バッグ:A4サイズの書類が入る自立型を選び、スーツと色をそろえると統一感が出て好印象です。
小物:ベルトは表革でシンプルなデザインが適しており、大きなバックルや装飾のあるものは選ばないようにしましょう。
また、時計はアナログタイプで、控えめなデザインが望ましいとされています。アクセサリーは結婚指輪を除き、面接時には外すのが基本です。
女性の服装マナー

服装マナーとは、場面にふさわしい装いを選ぶことで、相手への配慮や自身の品格を表す大切な手段です。
シーンに応じたポイントを的確に押さえることで、信頼感のある印象を与えられます。
ここでは、女性の服装マナーの基本と、特に注意すべき点について解説します。
スーツやインナーの選び方
スーツは、自分の体に合ったテーラードタイプを基本に、ネイビーやグレーなど落ち着いた色を選ぶと安心です。
パンツスーツは活動的な印象を、スカートスーツは柔らかさを演出できるため、自分の強みや個性を引き立てるスタイルを意識しましょう。インナーには白や淡いパステルカラーのシャツやブラウスが好印象です。
ただし、透け感の強い素材や胸元が大きく開いたデザインは避けましょう。
カットソーを選ぶ場合は厚みのある素材を用い、Tシャツを着ているように見えない工夫が必要です。
控えめで清潔感のあるメイク
転職面接にふさわしいメイクは、華やかさよりも「健康的で明るい印象」を与えることが大切です。
ノーメイクではスーツ姿との調和が取れず、かえって不自然に見えるため、普段あまり化粧をしない人でも最低限のメイクは必要です。
特に眉は、整っているだけで顔全体の印象が大きく変わるため、自然な形に整えておくと好印象につながります。
目立ちすぎるアイメイクや華美なカラーは避け、全体を落ち着いたトーンでまとめることで、誠実さや清潔感をより伝えやすくなります。
ネイルやアクセサリーもシンプルに抑えると、ビジネスの場にふさわしい印象になります。
靴・バッグ・アクセサリーのマナー
先述のように、転職面接では靴やバッグ、アクセサリーも自身の印象を作る要素のひとつです。
企業によって服装規定は異なるため、迷った場合は「目立たない」スタイルに合わせるのが安全です。
靴:黒のシンプルなパンプスが基本で、ヒールは5~7cm程度がバランス良く見えるとされています。
バッグ:A4サイズの書類が収まり、床に置いても自立するタイプが安心です。
アクセサリー:控えめな小ぶりのピアスや腕時計程度にとどめ、大ぶりのネックレスや腕を動かすと音が出るような派手なブレスレット等は避けましょう。
シーン別 迷いやすい服装の正解を解説

服装に関するマナーはシーンによって少しずつ異なるため、「今回の面接では何を着たら正解なのか」と迷うこともあるでしょう。
ここでは、さまざまな場面で押さえておきたい服装のポイントをわかりやすく解説します。
ビジネスカジュアルの基準
ビジネスで求められる「きちんと感」を保ちつつ、過度に堅苦しくならないのがビジネスカジュアルのポイントです。
ビジネスカジュアルは顧客対応を想定した服装です。カーディガンは社内用に限定し、面接や外部とのやり取りの際には避けましょう。
面接においては清潔感と信頼感を与えることが最も大切なポイントです。
夏の服装マナー・クールビズの対応
面接では「長袖シャツ+スーツ」が基本です。
企業からクールビズが指定された場合のみ、ノーネクタイやジャケットなしを検討しましょう。
ただし、半袖シャツだけで臨むのは避けるのが無難です。ジャケットを持参し、様子を見ながら着用するべきか判断するのが安心です。
さらに、汗じみ防止のインナーや制汗スプレーを活用し、臭い対策も忘れないようにしましょう。
清潔感を保ちながら暑さを乗り切る工夫を凝らすことで、夏の面接でも爽やかな印象を与えられます。
冬の服装マナー・コートなど防寒具の扱い方
冬の面接では、黒や紺など落ち着いた色のチェスターコートやトレンチコートなど、フォーマルなデザインを選ぶのが望ましいです。
コートは建物に入る前に脱ぎ、きれいに畳んで腕にかけて持ちましょう。
面接室では背もたれにかけず、足元や鞄の上に置くのが基本です。
マフラーや手袋は鞄にしまい、カイロは靴の中やポケットなど目立たない場所で使用するとスマートです。
オンライン(Web・リモート)面接の服装
オンライン面接では、画面に映る上半身の印象が特に重要です。ジャケットやシャツを整えるだけで、相手に信頼感を与えられます。
「下半身はラフでも問題ない」と油断しがちですが、立ち上がる場面も想定し、全身をビジネス仕様にしておくことをおすすめします。
加えて、事前にカメラ映りを確認し、光の当たり方や色合いを調整すれば、清潔感や誠実さをよりしっかりとアピールできます。
細やかな準備をしておくことで、画面上であっても面接官に十分に好印象を与えられます。
面接直前にチェックすべきポイント

面接直前の身だしなみチェックは、自身の第一印象をつくる重要な準備です。
面接時にどんなに良いことを話しても、靴やスーツ、髪型の乱れによって「だらしない人だ」と捉えられてしまう可能性があるため、本番前に今一度整えておきましょう。チェックすべきポイントを下記にまとめています。
【面接直前に確認すべきポイント】
・靴に汚れや傷、かかとのすり減りがないか
・スーツにシワや汚れ、臭いがついていないか
・シャツの襟や袖口が清潔で整っているか
・髪型が乱れておらず、顔全体がはっきり見えるか
・全体として清潔感と落ち着いた印象を与えられるか
転職面接の服装・身だしなみのQ&A
面接時の服装に関するよくある疑問について答えるとともに、面接で好印象を持たれるためのポイントをわかりやすく解説します。
リクルートスーツは避けるべき?
リクルートスーツは新卒らしい印象を与えやすく、転職面接では社会人としての経験が十分に伝わらない場合があります。
特に30代以上はサイズやデザインが合わず、違和感を持たれることもあるため、中途採用向けの落ち着いたビジネススーツを選ぶほうが安心です。
スーツがない場合どうする?
面接ではスーツ着用が基本です。手元にない場合は、量販店で手頃なセットを購入するほか、レンタルサービスを利用する方法もあります。レンタルでは数千円から有名ブランドスーツを数日間借りられ、翌日配送に対応するプランもあるため急な面接にも安心です。
さらにプロのコーディネーターによる全身スタイリング付きのサービスもあり、服装に不安を感じる方に適しています。友人や家族から借りる選択肢もありますが、サイズが合わない場合は避けましょう。長期的にスーツを着用する予定があるなら、購入を検討してみてください。
スーツで個性・センスを出すのはあり?
転職面接では、過度な個性やセンスを持ち込むより、清潔感と落ち着きのある装いを選ぶほうが安心です。
派手な色や奇抜なデザインは人によって受け止め方が異なり、評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
シンプルで整った服装は「信頼できる人物」という印象を与えやすく、面接官に余計な先入観を持たれる心配も少なくなります。
ITスタートアップなど、多少の個性がマイナスにならない業界もありますが、企業によって受け止め方はさまざまです。
迷う場合は無理に個性を出さず、落ち着いた装いにまとめておくほうが安心です。
年代によって服装の基準は変わる?
基本的には、どの年代でも面接にふさわしい服装で面接に臨むことに変わりはありません。
ただし年代が上がるにつれ、より落ち着いた印象や信頼感を与える装いを意識することが望ましいです。
20代はビジネススーツでもフレッシュさやはつらつさを感じさせるスタイルが大切ですが、30代はある程度の社会人経験を彷彿とさせる落ち着いた雰囲気を意識します。また40代以降は落ち着きや品を感じさせる服装を基準とすると良いでしょう。
「服装自由」と言われた場合は?
「服装自由」と言われても、普段着や私服で訪問するのではなく、ビジネスシーンにふさわしい装いを意識することが大切です。
スーツは無難な選択ですが、企業によっては堅い印象を与える場合もあるため、事前に社風や雰囲気を調べて判断しましょう。
「私服可」とされている場合でも面接ではビジネスカジュアルまでにしましょう。
清潔感を重視し、シワや汚れのない、きちんと整えられた服装は好印象につながります。
迷ったときは、スーツやジャケットを取り入れた落ち着いた私服を選ぶと安心です。
エージェントからのアドバイス
面接時の服装は、企業が応募者の社会人としての基本姿勢やTPOへの理解を確認する重要なポイントです。
クールビズの時期や、IT系など一部の企業ではビジネスカジュアルが認められるケースもありますが、
メーカーを中心とした多くの企業では、いまもスーツがもっとも無難な選択です。
「私服可」と案内される場合でも、企業の面接で認められているのはビジネスカジュアルまでです。
基本的にはスーツを選ぶのがおすすめです。
実際の選考では、服装が評価に影響したと感じる場面もあります。特にメーカー採用では、髪型・髪色・髭に対する特に厳しくチェックされる傾向があり、清潔感が欠けていると判断されると評価を落とすことがあります。IT系は比較的ゆるやかに受け止められることがありますが、いわゆる重厚長大、造船・重工・エネルギー・プラントなどの大企業ではスーツ必須です。
また、Web面接でも対面と服装基準は変わりません。服装そのものよりも、自室の背景が散らかっていることで印象が下がるケースがあるため、画面に映る範囲の整理整頓を忘れないようにしてください。現場見学を含む日程でも基本はスーツが無難ですが、ノーネクタイOKの企業が増えているなど、現場に合わせて柔軟に判断されるケースも見られます。
女性エンジニアの場合は、工場内の移動を伴う場合など、ヒールは高くないほうが望ましいといったケースもあります。
メイク・アクセサリー・付け爪なども華美すぎると評価に影響することもありますので、控えめな身だしなみを意識するのが無難です。
近年はリモートの普及やクールビズの浸透により、企業の服装基準は少しずつ緩やかになっています。
それでも、服装による印象差は確実に存在します。
面接案内に「ノーネクタイ」「ノージャケット」「ビジネスカジュアル」といった明確な指示がある場合は従って問題ありませんが、
基本的にはスーツを着用しましょう。
そういった場合でも、シャツのしわや靴の汚れなど、清潔感があることは必須です。
面接で損をしないため、事前にチェックしておきましょう。
現場の実情に合わせた適切な服装選びは、企業からの信頼につながります。不安な方は、ぜひ当社コンサルタントへご相談ください。
あなたの志望業界・企業に合わせて、最適な身だしなみのポイントを個別にアドバイスさせていただきます。
この記事の寄稿者
転職面接では、清潔感とTPOが重要です。男性は体に合った落ち着いた色のスーツを、女性は上品で控えめな服装を意識し、靴やバッグ、メイクもきちんと整えておきましょう。また、季節やオンライン面接などに合わせた服装を整え、当日は直前に身だしなみを最終確認することが大切です。万全の準備が面接成功につながります。

- 川端佳織