
転職に迷う時はどうすれば良い?迷った時の決め方・判断基準を紹介
キャリアを重ねる中で、転職を考える場面は少なくありません。
スキルアップや新たな挑戦を求める気持ちがある一方で、現在の職場を離れることへの不安やリスクを感じることもあるでしょう。
本記事では、転職に迷った時に確認すべき点や、転職すべきかどうかを判断するための基準を年代別に整理して解説します。
転職に迷う時にまず確認するべきこと

転職を考えた時、迷いや不安を感じるのは自然なことです。
しかし、冷静に自分の状況や目的を見つめ直すことで、より後悔しない判断ができるようになります。
ここでは、転職の決断に迷った時に確認すべき重要なポイントについて解説します。
迷っている理由は何なのか
転職を考え始めたものの、なかなか決断できずにいる時は、「なぜ迷っているのか」を深掘りしてみましょう。
まずは迷っている理由を具体的に書き出します。現状への不満、将来への不安、キャリアアップの希望など、迷いの原因は人それぞれです。
漠然とした不安のままでは前進できないため、頭の中にある考えをすべて書き出し、言葉にすることが重要です。
次に、自分の中での優先順位を整理します。
例えば、給与や働きやすさ、成長機会、やりがいなどリストアップした要素の、それぞれの優先度を考えてみましょう。
自分が仕事選びで本当に大切にしたいポイントが明確になり、判断しやすくなります。
転職を目的にしていないか
転職を検討する際、つい「転職すること」自体が目的になってしまうことがあります。
しかし、転職はあくまで手段であり、目的ではありません。本当に重要なのは、「転職によって何を実現したいのか」という具体的な目標です。
例えば「今の会社を辞めたい」「新しい環境で働きたい」といった感情的な理由だけで転職を決めてしまうと、後悔する可能性があります。
転職はキャリアプランや人生設計を実現するための手段であることを理解しておくことが重要です。
そのうえで考えるべきは、「転職によってどんな未来を手に入れたいのか」ということです。
キャリアアップやワークライフバランスの改善、新たなスキルの習得など、さまざまな実現したい未来があるはずです。
それらを目標として明確化しましょう。目標は具体的であればあるほど、転職活動の軸が定まり、成功に近づけます。
目標が決まったら、それを達成するための具体的な計画を立てます。
転職活動のスケジュールや企業選定の基準などを整理し、戦略的に行動することで、転職の成功率を高めることができます。
転職しないデメリットは何か
転職を迷っている時、つい「転職するデメリット」ばかりに目がいきがちですが、「転職しないことで生じるデメリット」にも目を向けることが大切です。
例えば現状維持を選ぶことで、キャリアの成長が停滞するリスクがあります。
同じ環境に長くいることで、業務範囲が固定化され、新しいスキルを習得する機会が減少します。
これにより市場価値が下がり、将来的により良い条件での転職が難しくなる可能性があります。
また、転職すれば収入やスキルのアップが期待できる場合でも、現状維持を選ぶことでその機会を逃すかもしれません。
人間関係が固定化し、視野が狭まってしまうリスクもあります。これらのデメリットを考慮したうえで、転職するかどうかを慎重に判断することが重要です。
現状のメリットを手放してでも転職したいのか
転職を検討するうえで、現在の職場で得ているメリットを手放してでも転職したいのかを考えることは重要です。
感情だけで判断しないよう、具体的な要素を整理し、冷静に検討しましょう。
まずは、現在の職場におけるメリットを書き出してみましょう。
例えば給与や待遇、ワークライフバランス、職場の人間関係、業務の安定性などです。具体的に書き出すことで現在の職場にいるメリットを客観的に把握できます。
次に、転職によって得られる可能性のあるメリットを明確にします。
例えば年収アップ、キャリアアップ、新しいスキルの習得、より良い職場環境などです。
この二つを比較し、どちらが長期的に自分のキャリアやライフプランにとってプラスになるかを判断します。
現状のメリットを手放すリスクが大きい場合、現職にとどまることも選択肢のひとつです。
一方、転職によるメリットが自分にとって優先順位が高い場合は、前向きに転職を検討する価値があります。
転職したほうが良いケース

状況によっては「転職を選ぶべき」明確なケースも存在します。
現職の環境が自分のキャリアやライフスタイルに悪影響を与えている場合、無理に現状維持することでさらに大きなリスクを抱える可能性があります。
ここでは、転職を真剣に検討すべき具体的なケースを紹介します。
・長時間労働・低賃金など労働環境が劣悪な場合
現状のまま勤務し続けると心身の健康を害する可能性が高いです。
会社に相談しても状況が改善せず、今後も期待できないなら、転職が自分自身を守ることにつながります。
・希望するキャリアを築けない場合
目指すキャリアが明確であり、現職では実現が不可能だと判断した場合には転職を検討しましょう。
キャリアプランに沿って成長できる環境を求めることは、長期的なキャリア形成において非常に重要です。
・会社の経営状況に不安がある場合
業績悪化や経営難など、会社の将来性に不安を感じる場合は、転職を検討すべきタイミングです。
業績が回復しない状況が続けば、生活の安定や将来設計に影響を及ぼす可能性もあるため、今後も悪化の兆しが見えるなら、早めに次のステップを考えることも賢明な選択肢です。
今は転職をしないほうがいいケース

反対に、転職を急ぐべきではないのは以下のようなケースです。
・転職理由や目標が不明確な場合
現状の仕事に不満はあるものの、具体的な転職理由や目標が明確でない場合は、まだ転職しないのが賢明です。
漠然とした不満だけで転職活動を始めても、希望通りの転職先は見つかりません。
まずは自己分析を行い、転職で何を達成したいのかを明確にすることが重要です。
・感情的に判断している場合
一時的な感情に流されて転職を決めると後悔する可能性があります。
特に、人間関係のトラブルや仕事のストレスなど、一時的な状況に流されて転職を考えている場合は、焦らず冷静に状況を見つめ直す時間が必要です。
・主な転職理由が条件や憧れの場合
転職する理由として条件面や憧れのみが先行している場合、転職すること自体への期待値が高すぎるおそれがあります。
転職できたとしても、次の職場で理想と現実のギャップを感じてしまう可能性もあるため、慎重な検討が必要です。
転職を避けるべきタイミング

自身や会社の状況から、転職を避けるべきタイミングも存在します。このタイミングで転職すると会社だけではなく、自身の転職活動に悪影響を及ぼす可能性があるため避けるべきです。
例えば以下のようなタイミングでは転職を避けるのが賢明です。
・重要なプロジェクトの途中
プロジェクトが進行中の状況で転職を考える場合は、その経験が自分のキャリアの成長にどう影響するかを冷静に見極めることが重要です。
プロジェクトの完遂は、専門性の向上やマネジメントスキルの強化につながる可能性があり、今後のキャリアにとって大きなアドバンテージになることもあります。
そうした貴重な経験を積める状況にある場合は、転職を急がない方がキャリアにとって有益な可能性があります。
・入社後すぐの転職
今の会社で働き始めて間もないタイミングでの転職は、転職先に「またすぐに辞めるのではないか」という印象を抱かれる可能性があります。
・昇進・昇給のタイミング
昇進や昇給を前に転職を選ぶことで、キャリアの成長や収入アップの機会を逃す可能性があります。
昇進後に転職することで選択肢が広がる可能性もあるため、タイミングを見極めることが重要です。
【年代別】それでも転職に迷った時の決め方・判断基準

年代によって、転職に迷う原因や重視すべき点は大きく異なります。
各年代特有のキャリアの方向性やライフステージの変化を考慮することで、より適切な選択ができます。
20代・30代・40代に分け、転職に迷った時の決め方・判断基準を解説します。
20代:キャリアプラン
20代は、キャリアの土台を築き、長期的なキャリアプランを考えるうえで非常に重要な時期です。
ポテンシャルを評価されやすく転職もしやすい時期ですが、その分、キャリアの方向性に迷いが生じやすい時期でもあります。
転職を考える際には、目先の給与や待遇だけでなく、自己成長やスキルアップができる環境かどうかを見極めましょう。
新しい知識やスキルを吸収し、自己成長を加速させやすい時期だからこそ、転職先には成長できる環境を選ぶことが重要です。
例えば、新しい知識やスキルを学べる機会があるか、多様な経験を積めるプロジェクトがあるか、同世代や優秀な先輩から刺激を受けられるかなどを確認しましょう。
もし現在の会社がこのような環境ではなく、目標達成に必要なスキルや経験が得られないと感じた場合、転職を検討する価値があります。
30代:勤務先の条件
30代は、専門性を高め、キャリアアップを目指すうえで重要な時期です。
キャリアの方向性が明確になり始め、より専門的なスキルや知識を深めていくことが求められるため、転職先でのキャリアパスや成長機会を見極めて判断する必要があります。
転職を検討する際には、これまでの経験を活かしつつ、さらなる成長につながる環境を選びましょう。
一方で、30代は家庭やプライベートの変化が伴いやすい時期です。
結婚や子育てなどのライフイベントが発生し、転職に迷いが生じることも多々あります。
そのため転職では、ワークライフバランスも考慮する必要性が出てくる方も多い時期です。
勤務時間や勤務体制の柔軟性、仕事の安定性、福利厚生などをしっかりと確認し、自身の優先順位に合った職場環境を選びましょう。
優先順位の高い勤務条件を満たしつつ、キャリアアップの機会も見込める職場を選ぶことができれば、仕事とプライベートを両立させながら長期的に充実したキャリアにつながります。
40代:市場での自分の価値
40代で転職を考える際には、市場での自身の価値をしっかりと把握することが重要です。
即戦力としての経験やスキルが求められる年代なので、転職先でどのように自分の経験が活かせるかを慎重に見極める必要があります。
採用枠が限られている中で、いかに自分が組織に貢献できるかを重視して転職先を探すのがポイントです。
まず、これまでのキャリアで培った専門性や管理職経験を活かせる環境を選ぶことが大切です。
自身の経験が市場でどのように評価されるのかを常に意識し、強みを活かせる企業を選ぶことで、転職後にスムーズに活躍できる可能性が高まります。
また、40代の転職では、キャリアの集大成として社会貢献や自己実現の要素も重要な判断基準です。
これまでの経験を活かし、社会に対して積極的に貢献できる仕事や、自分の価値観に合致した企業を選ぶことが、仕事への満足度を高めます。
このように40代での転職は、即戦力としての役割を果たしつつ、自己実現や社会貢献も視野に入れることで、より充実したキャリアを築くことができます。
転職に迷った時の相談先

転職は、人生における大きな決断です。一人で悩みを抱え込まず、信頼できる人に相談することで、客観的な意見やアドバイスを得られ、新たな視点が見つかる可能性があります。
知人・友人などの第三者に相談してみる
転職に迷った時、一人で悩むよりも信頼できる知人や友人などの第三者に相談することが有効です。
第三者からの客観的な意見は、自分では気づかなかった視点をもたらし、選択肢を広げる手助けになるはずです。
特に、同じ業界や職種の経験者、または転職経験者からのアドバイスは、実践的で具体的な情報を得られることが多く、転職活動を進めるうえで参考になります。
ただし、第三者の意見には注意も必要です。第三者は自分とは異なる価値観をもっているため、そのまま意見を受け入れるのは避けましょう。
アドバイスを受けた場合でも、自身のキャリアプランや価値観に照らして慎重に判断し、あくまで参考として活用することが重要です。
また、社内の人に相談することは避けるべき場合が多いです。社内での相談は、現職での評価に影響を与える懸念があります。特に、上司や同僚への相談は、今後の関係性に悪影響を与える可能性も考慮する必要があります。
したがって、転職に関する相談は社外の信頼できる第三者に絞り、具体的な悩みや状況を伝え、意見を聞くようにしましょう。
最終的には自身の判断基準を踏まえて決断を下すことが、後悔のない転職につながります。
転職エージェントに相談してみる
転職エージェントに相談するのも、安心で効果的な選択肢のひとつです。
転職エージェントは同じような年代や業種の求職者の相談を多数受けており、幅広い知見と専門知識にもとづいたアドバイスを提供できます。
さまざまな業界や職種に精通しているため、相談することでキャリアに役立つ情報を得られるはずです。
また、転職エージェントは単に相談に乗るだけでなく、実際の転職活動においても強力な支援を提供します。
履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、企業との交渉など、転職に関するあらゆるプロセスをサポートしてくれるため、安心して転職活動を進めることが可能です。
転職エージェントならではのメリットとして、市場に公開されていない非公開求人を紹介してもらえる場合もあり、より多くの選択肢を得ることができます。
転職エージェントは、キャリアプランやキャリアの目標を一緒に考え、最適な道を見つけるための信頼できるパートナーとなります。
転職の成功事例|エンジニア転職なら「メイテックネクスト」

「メイテックネクスト」は、エンジニア専門の転職エージェントとして、多くの転職をに貢献してきました。以下では、年代別の転職成功事例を紹介し、エンジニアが転職を成功させるためのポイントを解説します。
20代の成功事例
有機ELのプロセス開発から次世代太陽電池の研究職へ
電子部品メーカー プロセス開発 450万円⇒大手完成車メーカー 研究開発 680万円
★転職成功者のコメント★
修士課程では有機ELの開発研究に取り組み、1社目では経験を生かして有機ELデバイスのプロセス開発に従事していました。
所属企業の民事再生手続きが決定、技術が活かせないポジションへの転籍が決まり、成長事業において経験を生かしたいと思い転職活動を開始。経験・技術の棚卸を的確に進めていただき、化学・素材の開発よりも塗布型デバイスの先行開発領域がよりフィットすると提案いただきました。
面接対策や面接後のフィードバックを丁寧にフォローいただいたことで、最終的に次世代太陽電池の研究開発職で2社の内定をいただきました。
結果として、先行研究に取り組めるポジションを得て、年収も200万以上アップを実現することができました。
30代の成功事例
重工製品の機械設計から半導体製造装置の開発
大手重工メーカー 機械設計 670万円⇒大手半導体製造装置メーカー 装置開発 840万円
★転職成功者のコメント★
前職では、重工製品の機械設計に従事していましたが、新しい製品・技術に携わる機会が少なく、将来のキャリアに不安を感じて転職活動を開始しました。
ところが、いざ活動を始めてみると自分のスキルの汎用性の無さを痛感することばかりであり、異業界への転職は諦めざるを得ないと思い込んでおりました。しかしながら山東さんとの面談では、経験を要素技術に分解して棚卸ししてくださり、実は異業界でも通用するスキルがあることに気づかせていただきました。
自分だけでは巡り合えなかった半導体業界についても、業界・企業・職種の特徴を詳しく教えてくださり、未経験ではあるものの、活躍イメージを持つことが出来ました。
その結果、面接では業界未経験であることに臆することなく、活かせる経験・スキルをアピールすることが出来、無事に内定をいただくことが出来ました。
40代の成功事例
大手プラント企業のグループ会社から、大手プラント企業の本社勤務の提案
大手プラント企業の検査グループ会社 検査方法やシステム検討 720万円⇒大手プラント企業 DX推進企画 1000万円
★転職成功者のコメント★
博士後期課程に進むつもりでしたが、急遽、就職活動が必要な状況となり、選択肢のないまま現職へ入社。
DX化のための開発エンジニアとして業務を全うしていましたが、大手グループ企業の子会社という立ち位置に悩み転職活動を開始しました。
面談では、コミュニケーション力を活かしたコンサルに加えて、技術的な成長を追求できる案件を提案いただきました。
「一番満足して頂けるのは、大手プラント企業にて、本社の立場で全社のDX化を推進する業務ではないか」という率直なご提案に納得して応募した結果、コンサルと大手プラント企業の双方で年収1000万円を超える内定を獲得。
その際にもぶれることなく自身のやりがいを優先して、大手プラント企業に入社を決断することができました。
この記事の寄稿者
転職に迷った時は、まずその理由を明確にし、転職によって何を実現したいのかを整理することが大切です。転職しないデメリットにも目を向け、転職すべきか、まだしないほうが良いかを冷静に判断しましょう。それでも迷った時は、業界や専門分野の深い知識をもつ転職エージェントに相談することで、より具体的なキャリアプランにもとづいた決断ができます。
- 川端佳織